Posts Tagged ‘在留資格’
偽装結婚かどうかが争われた裁判例 その1
このページでは,偽装結婚かどうかを争った刑事裁判について,判決を解説します。
今回の事例は,平成23年12月27日に静岡地方裁判所浜松支部で判決が言い渡された事例です。 (さらに…)
離婚後に定住者への在留資格の変更が認められた裁判例
日本人と離婚した外国人の方が,「日本人の配偶者等」から「定住者」への在留資格の変更を求めて裁判を起こした結果,裁判所が,在留資格の変更を認める方向の判決を出した事案について紹介します。
「在留資格の変更を認める方向」という,少し遠回しな言い方になっているのは,裁判所が直接「在留資格の変更と認めた」というわけではないからです。
この事案では,外国人の方が一度,在留資格の変更の申請(「日本人の配偶者等」→「定住者」)をしたところ,当時の入管が不許可の処分をしました。外国人の方は,この不許可処分の取り消しを求めて裁判を起こしたのです。
裁判例は,平成14年4月26日東京地方裁判所で判決が言い渡された事件です。それでは詳しく解説します。
日本人と離婚したら国外退去?
日本人と結婚していたのに,在留資格が取り消されたという裁判例について解説をしました。
この裁判例の前提として,日本人と結婚していた外国人の方が,離婚した場合にはどうなるのかについて解説したいと思います。離婚したらすぐに国外退去となってしまうのでしょうか。
なお,日本人と結婚していたけれども「日本人の配偶者等」の在留資格に変更していないという方は,全く問題がありません。離婚したとしても,在留資格に関わる活動を継続している限りは,在留資格が取り消されるということはありません。
離婚したときの在留資格
在留資格とは,日本国内での活動に応じて付与されるものです。「日本人の配偶者等」という在留資格は,日本人の配偶者,日本人の子として日本で生活する場合に認められる在留資格です。
この「配偶者」とは,日本の法律に従って結婚している場合を指し事実婚や内縁関係の場合には「配偶者」には該当しないことになります。また,離婚届が受理されると,「日本人の配偶者」ではないことになります。
では,離婚するとすぐに在留資格が取り消されるのでしょうか。
実は,法律上はそうなっていないのです。
入管法上は,
『その配偶者としての活動を継続して6か月以上行っていない場合(ただし,当該活動を行わないで在留していることにつき正当な理由がある場合を除く)』場合に限って,在留資格を取り消すことがある,としています。
これは,夫婦関係については喧嘩などの理由からしばらく別居したり距離を取ったりすることもあるため,6か月程度は別れるつもりなのかどうか時間をおいてみるべきであることや,日本人と離婚したとしても,その後別の在留資格を取得する可能性があることや,離婚後の手続きなどの関係上,直ちに日本から出国するのが難しい場合があることから,すぐに在留資格を取り消すのは外国人の立場を不安定にしてしまうため,一定の期間を設けていると理解できます。
そして,離婚した時から「配偶者としての活動をしなくなった」となります。
そのため,離婚してから6か月がたつと,「配偶者としての活動を6か月以上行っていない」として,在留資格が取り消される可能性が出て来るのです。
日本人の配偶者としての活動を継続して6か月以上行わず,他の在留資格へ変更しないで在留資格が取り消された場合には,「30日間」の出国準備期間が設けられ,その間に日本から出国しなければなりません。この時の出国は「強制送還(退去強制)」ではありませんので,再入国禁止の期間は特にないことになります。
離婚後に出国準備期間が付与され,一度日本から出国したとしても,すぐに他の在留資格で再度入国するということは可能です。
但し,この出国準備期間の内に日本から出国しなかった場合には,強制送還(退去強制)の対象となってしまいます。強制送還されてしまうと,原則として5年間,日本に入国することが出来なくなってしまいます。離婚後も日本への入国を考えているという方は,出国準備期間を過ぎてしまわないように十分に気を付けましょう。
※親権や養育費をめぐって離婚の調停や裁判が続いている間は?
離婚に関する調停や裁判が続いている間についても,在留期間を6か月として「日本人の配偶者等」の在留資格が認められる場合が多いです。
離婚の調停や裁判が続いている間であっても,その後,夫婦関係が回復する可能性もあるから在留資格がすぐに取り消されるものではありません。
※夫からのDVで逃げている場合
配偶者からの暴力から逃れて一時的に別居しているという場合には,在留資格が取り消されない可能性があります。
但し,DVが原因となり,離婚届けは出していないものの,事実上結婚生活が破壊されているという場合には,そもそも「日本人の配偶者」ではなくなったとして,在留期間の更新が認められない場合があります。そのような場合には,次の「定住者」へ在留資格を変更することを考えましょう。
離婚後の在留資格はどんなものがあるか
離婚したとしても,すぐに在留資格が取り消されて強制送還されるわけではないことが分かりました。
次に,離婚後も引き続き日本での滞在を希望する方の在留資格について解説します。
就労系の在留資格
離婚後,外国人の方のお仕事が就労系の在留資格に該当する仕事であれば,就労の在留資格へ変更することが可能です。例えば,通訳業をしていた方であれば「技術,人文知識・国際業務」,学校の先生であれば「教育」や「技術,人文知識,国際業務」等があり得ます。
もちろん,離婚した後でも転職活動をすることはできますし,離婚後に在留資格が認められるような仕事を探すのでも全く構いません。
技術,人文知識,国際業務の在留資格についてはこちらでも解説しています。
定住者の在留資格
「日本人の配偶者等」の在留資格を持っていた方のうち,一定の条件を満たす場合には,離婚後にも「定住者」へ在留資格することが出来ます。
定住者への変更が認められる場合としては,
1 日本で概ね3年以上正常な婚姻関係,家庭生活が継続していた方(離婚定住)
2 日本人との間に生まれた子どもを監護,養育している方(日本人実子扶養定住)
が該当します。
また,離婚はしていないものの,配偶者からのDVによって事実上婚姻関係が破綻しているという場合には「1」の離婚定住と同様に,定住者への在留資格の変更が認められる場合があります。
定住者の場合には就労の制限がないので違法なものでない限り,日本国内で様々な仕事をすることが出来ます。
離婚後に「日本人の配偶者等」から「定住者」へ変更するという場合には,離婚後も日本で生活を営むだけの資産や技能があることが条件とされています。
まとめ
今回は,離婚後の在留資格がどうなるのかという点について,解説しました。
離婚すると,すぐに在留資格を取り消されるというわけではありませんが,きちんと入国管理局への届け出をしなければなりません。
また,離婚から6か月が過ぎると,「日本人の配偶者等」の在留資格については取り消される可能性が出て来るので,その後も日本での在留を希望する場合には,別の在留資格への変更をしなければなりません。
「定住者」がどのような在留資格なのかについては,また改めて詳しく解説をしたいと思います。
それ,資格外活動申請が必要?
日本で滞在している間に,「これってやっていいんだろうか?」と思うことはありませんか?
既にこのサイトでも解説しているように,永住者,日本人または永住者の配偶者等,定住者以外の方の場合には,在留資格と日本での活動の内容によっては,資格外活動となってしまう場合があります。
☆資格外活動に関する解説記事☆
資格外活動をしてしまった場合に待っているのは強制送還 刑事罰についてもあります
今回は,そもそも,資格外活動申請が必要になるのはどんなときなのか?という根本的な部分を解説します。資格外活動で摘発されたくない,日本から追い出されたくない,という方は,是非よく読んでおいてください!
在留資格認定証明書の活用を!
日本へ入国する時に一番大切なものは何でしょうか?
パスポート,旅券,確かに大切ですが,日本に滞在する間に必ず必要なもの,それは,「在留資格」です。
トランジットなどで立ち寄る場合を除いて,日本に入国して上陸審査を通過するためには,在留資格が認められなければなりません。
今回は,日本に入国するために最も大事な「在留資格」を取得するための,在留資格認定証明書について解説します。
ビザをもらうにはお金がかかる?入管で必要になる手数料
在留資格(ビザ)の手続の中には「手数料」が必要になるものがあることをご存知でしょうか。
この「手数料」とは,弁護士や行政書士を頼む費用のことではなく,申請者が直接入管の窓口で払うことになるものです。
在留資格(ビザ)のうち,どの手続には手数料がかかるのか,いくらなのか,手数料が返してもらえることがあるのかについて解説します。
「文化活動」の在留資格取得手続
今回は,マイナーな在留資格である「文化活動」についてこのページで取り扱います。
そもそも「文化活動」という名前の在留資格,つまり在留中の活動とは何なのか,どのくらいの人が「文化活動」の在留資格で日本に滞在しているのか,どういう人が対象となるのかについても解説してみたいと思います。
スポーツトレーナーのビザ
前回,当HPで,オリンピック出場選手のビザについて解説いたしました。
しかし,競技によってはトレーナーや器具の調整を行うスタッフも帯同することがあります。競技の種類によっては複数人のスタッフがチームを組むということもありますし,トップアスリートとなると個人的に専門スタッフを雇っていることもあります。
そのような,「選手以外のスタッフ」がオリンピック大会などのために日本に入国する場合には,どのような在留資格が必要か,解説します。
技能の在留資格取得手続
今回は,「技能」の在留資格の概要と,取得にあたって入管などに対して提出する必要がある書類について解説します。
様々な分野で「専門特化」が進んでいますが,その技術や技能といった能力は,日本での在留資格の取得にどんな影響があるでしょう。
技術職,専門職の方を日本に呼び寄せたいと思っても,どんな分野であれば在留資格が認められるのでしょうか。
少し難しい話になりますが,「技能」という在留資格について解説します。
オリンピックのためのビザ
オリンピックの開催国には,毎回全世界から多数のアスリートが入国します。
報道などによれば,次回の東京オリンピックには,205か国から11000人以上が参加する予定の様です。
本年のオリンピックの開催については公衆衛生上の問題,世論等,安全に開催できるのかどうかについてはまだまだ課題は散見されていそうです。
そのような問題は一旦わきにおいて,オリンピックや国際大会などへの参加のために,アスリートが日本に入国する場合,どのような在留資格(ビザ)を取得する必要があるのか考えてみます。
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