Posts Tagged ‘在留特別許可’
在留特別許可を争った裁判事例 名古屋高等裁判所その9
このページでは,在留特別許可を求めて争った裁判事例について,判決文を解説します。
今回の事例は,平成28年11月30日に名古屋高等裁判所で逆転判決が言い渡された事例です。
この事例は,
「定住者」の在留資格で来日した外国籍の男性Xさんが,ひき逃げ事件事件を起こしてしまい,逃げている間に在留期間が過ぎてしまったためオーバーステイになって,退去強制(強制送還)令書が発布されたので,その取り消しと在留特別許可を求めて裁判を起こしたというものです。
今回紹介する裁判例は,高等裁判所の控訴審の判決です。Xさんは,名古屋地方裁判所に対して一度裁判を起こしましたが,裁判所はXさんの訴えを認めませんでした。
これに対してXさんが控訴を申し立てたところ,控訴が認められXさんに対する退去強制(強制送還)令書の発布を取り消すという逆転判決が言い渡されました。
外国人の方が有罪判決を受けた後に在留特別許可を求めて裁判を起こしたという事例については,前回も紹介したものがありますので,併せてご覧下さい。
在留特別許可を争った裁判事例 東京地裁判決その8
このページでは,在留特別許可を求めて争った裁判事例について,判決文を解説します。
今回の事例は,平成29年6月16日に東京地方裁判所で判決が言い渡された事例です。
先日解説した裁判例と同じ日に,判決が出された事件(内容は全く別々)ですが,こちらは在留特別許可を認める方向での判断となりました。
この事例は,
「定住者」の在留資格で来日した外国籍の男性Xさんが,日本で傷害事件を起こしてしまい懲役2年6月執行猶予5年の有罪判決を受けたため,在留期間の更新申請が不許可となってしまい,オーバーステイになって,退去強制(強制送還)令書が発布されたので,その取り消しと在留特別許可を求めて裁判を起こしたというものです。
外国人の方が有罪判決を受けた後に在留特別許可を求めて裁判を起こしたという事例については,前回も紹介したものがありますので,併せてご覧下さい。
在留特別許可を争った裁判例 東京地裁判決その7
このページでは,在留特別許可を求めて争った裁判事例について,判決文を解説します。
今回の事例は,平成29年6月16日に東京地方裁判所で判決が言い渡された事例です。
この事例は,
定住者として来日した外国籍の男性Xさんが,同じ国籍の女性と日本で結婚し,永住許可を受けた後で,日本で刑事事件(殺人未遂)を起こしてしまい懲役8年の実刑判決を受けていたため,退去強制(強制送還)令書が発布されたので,その取り消しを求めて裁判を起こしたというものです。
外国人の方が有罪判決を受けた後に在留特別許可を求めて裁判を起こしたという事例については,前回も紹介したものがありますので,併せてご覧下さい。
在留特別許可を争った裁判事例 東京地裁判決その6
このページでは,在留特別許可を求めて争った裁判事例について,判決文を解説します。
今回の事例は,令和2年9月25日に東京地方裁判所で判決が言い渡された事例です。
この事例は,
短期滞在の在留資格で来日した外国人夫婦が,日本で子供二人を設けて生活していたものの,家族4人とも在留資格がなく,または在留期限を超えて不法残留を続けていたという事案です。入国管理局がこの家族を摘発し,家族4人全員について退去強制令書(強制送還)の手続きがなされたため,この家族は退去強制令書(強制送還)の取消しと,在留特別許可を求めて,大阪地方裁判所で裁判を起こしました。
外国人の方が有罪判決を受けた後に在留特別許可を求めて裁判を起こしたという事例については,前回も紹介したものがありますので,併せてご覧下さい。
仮放免を争った裁判 その1
今回は,仮放免を求めて裁判で争った結果,仮放免をしなかった決定が取り消された事例を紹介します。
平成30年8月28日に東京地方裁判所で判決が宣告された事件です。
仮放免は通常,本人や代理人弁護士が,収容している施設長か,主任審査官に対して申請書を提出して判断がなされます。今回紹介する裁判例は,仮放免の申請に対して外国人を収容する施設の施設長が「仮放免をしない」,という決定をした事が違法だとして,その決定の取り消しを裁判所に求めたのです。
裁判所は,結論としては,仮放免をしなかった判断はおかしいとして施設長の決定を取り消しました。その主な理由は,収容されている外国人の方の健康面をみると,収容し続けるべきではないと判断したからです。
公表されている事案の概要と,裁判所の判断を解説します。
参考:仮放免についての解説
【法改正】入管に収容されなくなる?在特が出にくくなる?
令和3年2月19日,政府は出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法案を閣議決定したとの報道がありました。
⇒時事ドットコムニュース 難民申請3回目から送還可能 入管法改正案を閣議決定―外国人長期収容問題に対応
報道などによると,今回の改正は,外国人の長期収容の問題を解決することを目的としているようですが,法律案などをみると,改正される部分は,それだけではないようです。
今回は,国会に提出された法律案を見つつ,独自の観点から「これは!」と思われる改正部分について解説したいと思います。
なお,国会に提出された法案は,こちらのページから誰でも見ることが出来ます。
主に,こちらのページにある「法律案要綱」を参照しつつ解説します。
※令和3年5月27日補記
令和3年の国会では入管法の改正案については廃案となるため,令和3年中の法改正はなし,になりました。
在留特別許可を争った裁判事例 大阪高裁判決その5
このページでは,在留特別許可を求めて争った裁判事例について,判決文を解説します。
今回の事例は,平成25年12月20日に大阪高等裁判所で判決が言い渡された事例です。
この事例は,短期滞在の在留資格で来日した外国人夫婦が,日本で子供二人を設けて生活していたものの,家族4人とも在留資格がなく,または在留期限を超えて不法残留を続けていたという事案です。入国管理局がこの家族を摘発し,家族4人全員について退去強制令書(強制送還)の手続きがなされたため,この家族は退去強制令書(強制送還)の取消しと,在留特別許可を求めて,大阪地方裁判所で裁判を起こしました。
一審では,
①家族4人に対する退去強制令書(強制送還)の手続きは適法であり
②在留特別許可をする事案ではない
と判断されたため,家族4人は全員で控訴しました。
控訴審では,一審の判決が覆り,家族全員について在留特別許可を与えるのが相当であるとされて,退去強制令書(強制送還)の手続きが取り消されました。
在留特別許可を争った裁判事例 東京地方裁判所判決その4
このページでは,在留特別許可を求めて争った裁判事例について,判決文を解説します。
今回の事例は,令和元年11月28日に東京地方裁判所で判決が言い渡された事例です。
この事例は,定住者として来日した外国籍の男性Xさんが,覚せい剤取締法違反の罪で服役した後,退去強制手続きが始まったため在留特別許可を求めたものの,在留特別不許可となったため裁判を起こしたところ,裁判所は法務大臣の判断を肯定した,というものです。
この事例は,外国籍の方が実刑の有罪判決を受けた後で在留特別許可を求めたという点で,既に紹介している東京地方裁判所令和元12年月19日判決の事案と似ている部分もありますので,併せてご参照ください。
在留特別許可を争った裁判事例 東京地方裁判所判決その3
このページでは,在留特別許可を求めて争った裁判事例について,判決文を解説します。
今回の事例は,令和元年12月19日に東京地方裁判所で判決が言い渡された事例です。
この事例は,刑事事件について有罪判決を受けて一度在留特別許可を受けていたXさんが,再度別の事件について有罪判決(懲役刑の実刑判決)を受けたため退去強制(強制送還)の手続きが進められましたが,Xさんは再度在留特別許可を求めて裁判を起こしたというものです。
在留特別許可を争った裁判事例 東京地方裁判所判決その2
このページでは,在留特別許可を求めて裁判まで争われた事例について,判決文を見ながら解説をします。
今回解説する事例は,令和元年12月24日に東京地方裁判所で判決が言い渡された事例です。
この事例は,日本で生まれた外国籍の男性Xさんが在留特別不許可となったため裁判を起こしたところ,裁判所は法務大臣の判断を肯定したものです。
既に紹介している東京地方裁判所民事第2部令和2年2月18日判決の事案と似ている部分もありますが,裁判所の判断としては在留特別許可は不許可のままとなりました。
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