Archive for the ‘入管手続き’ Category

収容されずに出国することはできるのか

2020-12-04

日本に滞在する外国人については,出入国管理及び難民認定法(いわゆる入管法)において在留を管理する制度が設けられています。そして日本に在留する方については,在留の目的に応じて在留資格が付与され,在留の期限が設定されます。

この在留資格にない活動をしてしまった場合や,在留の期限を過ぎて日本に在留し続けた場合,退去強制(強制送還)されてしまうことがあります。退去強制の手続が始まってしまうと,入管の施設に収容されてしまう可能性があります。というのも,現在の出入国管理庁は「全件収容」を原則としており,退去強制に該当すると思われる人については,全員収容するとの手続をとっているからです。

入管の施設に収容される場合については,こちらのページでも解説しています。 ⇒入管に収容されたらどうすればいいか

退去強制される可能性がある方には,「もう日本にいる必要はないから早く母国に帰りたい」という方や「日本からの出国は仕方ないと思っているが入管に収容されたくない」という方もいます。そのような場合,出国命令制度を通じて日本から出国することで,入管への収容を回避することが出来ます。

このページでは,出国命令制度の概要について解説します。

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不法就労の「報酬」とお小遣いの区別

2020-11-06

このページでは,資格外活動として規制される「報酬」や「収入」をともうなう活動と,単なるお小遣いとの違いについて弁護士が解説します。

不法就労活動は,出入国管理法の違反となりますが,単なるお小遣いをもらうことは違法なのでしょうか。

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資格外活動への処分その2

2020-11-03

このページでは,日本に在留する外国人の方が資格外活動を行ってしまった場合の強制送還(退去強制)について解説します。

資格外活動に対する刑事処分は,こちらの「資格外活動への処分その1」でも解説していますので併せてご参考ください。

また,どのような場合に資格外活動となってしまうのかについては,こちらの「資格外活動として検挙される場合」で解説しています。

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資格外活動許可の申請手続き

2020-10-23

このページでは,資格外活動許可の申請手続きについて解説します。

そもそも資格外活動とは何なのか,申請の時に必要な書類は何なのか,弁護士が解説します。

また,次回以降の更新では,資格外活動の申請の許可についての判断基準や,申請をしないで資格外活動をしてしまった時にどうなるかという点も続けて解説します。

関心のある方は続けてご覧下さい。

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就労資格証明書の取得手続

2020-10-20

このページでは,就労資格証明書について,解説します。

 

就労資格証明書とは何か

就労資格証明書とは,『既に取得している在留資格の範囲内で日本で働くことができることと,仕事の内容』を証明するものです。

在留資格には,いわゆる「就労ビザ」と呼ばれるものがあり,特定の仕事をするために日本に在留する際に認められるものがあります。

しかし,就労ビザは,「経営管理」や「教授」「教育」など,種類だけ聞いても「この在留資格でこの仕事に就くことはできるのか?」と判断しにくいものもあります。特に,「技術・人文知識・国際業務」は,パッと見ただけではどんな仕事を含むのか判断しづらく,「これは人文知識の在留資格で働ける仕事なのか」と悩むことも多くあります。

せっかく就労の在留資格が取得できても,それを使って日本で働けるのかどうか分からないというのでは,在留資格を申請する意味がありません。

そこで,「就労資格証明書」を取得することによって,取得した在留資格によって働くことが出来る内容を証明することが出来るのです。

 

どのように申請したらよいか

就労資格証明書の申請には,次の書類を準備します。

申請書(こちらからもダウンロードできます) 1通

・在留カード,旅券を提示(提示できないときは理由書を提出する)

・申請手数料1200円(窓口で払う)

就労資格証明書の申請は,各地方出入国管理局の窓口で,平日・日中の時間帯に申請書を提出します。

申請から証明書が発行されるまでにかかる期間は,通常その日のうちに発行されますが,転職する場合だと1~3か月程度かかることもあります。

特に,転職にあたって就労資格証明書を申請する場合には期間の余裕を持って申請手続きを行いましょう。

 

どんな時に使えるのか

就労資格証明書を活用すべき場合とは,上記で触れたように,就労ビザで日本に在留している外国人の方が転職しようとする場合です。

日本人の配偶者や永住許可を受けている方は,日本での就労に大きな制限はないので,基本的には就労資格証明書を使うことは少ないかと思います。

日本国内で転職する際,転職後の仕事の内容についての「就労資格証明書」を取得しておくことで,

①転職先に対して適法な在留資格を持っていることを証明できる。

②次回の在留期間の延長の時に手続きが円滑に進む。

というメリットがあります。

もちろん,就労資格証明書がなくても同じ在留資格に適合する範囲内であれば転職するは可能です。

ただ,就労資格証明書を得ておくことによって,在留資格を変更しないままで問題ないことを転職先に示すことで,転職先の会社としても「この人を雇っても不法就労にはならない」と安心することが出来ます。一般の企業でも,仕事の内容が在留資格に適合しているものなのかどうか,判断するのは非常に難しい場合があります(特に,技術・人文知識・国際業務の在留資格。就労系の在留資格として最も取得されているものですが,その範囲については漠然としています)。

また,通常,転職後の在留期間の延長の審査には追加の書類が多数必要になることに加えて,審査にも時間がかかります。在留期間の延長審査をしている間に,在留期間の満了を迎えてしまう,ということも考えられます。

事前に就労資格証明書を取得しておけば,在留期間の延長申請の時に慌てなくてすみます。

 

更に,万が一,就労資格証明書が交付さなかった場合には,再度転職活動を続けるということもできます。

もしも,転職した後に在留期間の延長申請をして,「転職後の仕事では在留資格が認められない」ということが分かったとすると,延長申請が認められないだけではなく,在留資格が特定活動へと変更され,日本からの出国準備をしなければならなくなります。そうなると,転職先での仕事を続けることはできなくなってしまいますし,仕事を続けると資格外活動として出入国管理法違反の刑罰にも問われかねません。

そうなる前に就労資格証明書を申請して,転職後の仕事も在留資格に適合するかどうか一度審査を受けておくことで,余裕を持った転職活動ができることになります。

 

まとめ

就労資格証明書は,①のような事業者にとってのメリット,②のような外国人側にとってのメリットの両方のあるものですが,あまり活用されていないようです。

中途採用やヘッドハンティング等で外国人の採用を考えている事業主の方,在留資格を変えないままで転職しようと考えている外国人の方は,就労資格証明書の取得,活用を検討されると良いでしょう。

就労資格証明書の取得にあたって,手続上分からないことがある方や,手続の代理をお願いしたいという方は,事前に弁護士にご相談いただくのが良いでしょう。

 

技術・人文知識・国際業務の在留期間更新

2020-10-16

技術・人文知識・国際業務の在留資格をお持ちの方の,在留期間を更新する際の手続きについて解説します。

 

更新申請のための必要書類

在留期間の更新にあたっては,以下の書類を準備します。

申請書の一部は,勤め先や雇用主が記載する部分があります。更新の手続きを始める前に,早めに記入してもらうようにしましょう。

申請書(こちらからもダウンロードできます) 

・写真(縦4cm・横3cm※三か月以内に撮影したもの) 1枚

・在留カードとパスポート(窓口で提示)

・働いている会社や団体の規模(カテゴリー1~4)に応じた必要書類

 例 四季報の写し,前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計票

   雇用契約書,職務経歴票等

・(勤め先の規模によって)住民税の課税証明書,納税証明書

在留資格の延長の場合には,住民税の課税証明書と納税証明書が必要になります。これらの書類については,多くの場合,市町村役場の窓口で取得できます。

一定の大きさ以上の機関で働いている場合には,課税証明書や納税証明書は取得する必要がありません。

 

申請窓口と審査にかかる期間

在留期間の延長申請は,各地方にある出入国管理官署に提出します(平日,日中の時間帯に申請に行きましょう)。

通常,審査にかかる時間は2週間から1ヶ月とされていますが,直近のデータによると,審査自体にかかる時間は,平均約17日とされています(令和2年4月から6月期のデータ)。

 

更新手続きの際の注意点

在留期間の延長にあたっては,次の点について注意して,申請手続きを行う必要があります。

①就労先が適正か,安定しているかどうか

技術・人文知識・国際業務の場合,働いている機関が,労働基準法に違反するようなところでないかどうか,今後も安定して続けられるかどうかが問題になります。

技術・人文知識・国際業務の在留期間を更新する場合,5年の更新が認められることもあります。今後5年先まで続けて働くことが出来るのかどうか,という点は審査の対象になります。

併せて,違法な労働環境ではないことも重要です。賃金が安すぎたり,労働時間が長すぎる等の事情は,労働者側には責任のない事情ですが,そのような環境で働き続けること自体が好ましくないとされるでしょう。

 

②在留期間中の生活はどうだったか

在留期間の更新を申請する場合,更新するまでの生活がどのようなものだったか,も重要です。特に重要となるのは次の2点です。

・納税義務を果たしているか

・素行の問題がなかったか

納税義務については,所得税,住民税の未納があることや,場合によっては所得税法や地方税法の違反によって処罰されていることが更新の手続で不利な事情になります。

なお,一部の税金については,一時的に払えない方のための猶予制度もあります。お金がないからと放っておくのではなく,使える制度は活用しておきましょう。正規の手続きを経て納税が猶予されている場合には,更新手続きでも資料を提出することで,更新許可を得られることがあります。

 

また,素行上の問題については,端的に,日本の法律で刑罰を受けなかったかどうかが問題になります。

一部の罪名については,有罪判決を受けたことや一定以上の刑罰を受けることで退去強制(強制送還)となりますが,退去強制されない罪名や刑罰の内容もあります。

よくある例としては,暴行罪や道路交通法違反(スピード違反等)で罰金判決を受けた場合です。この場合には,すぐに退去強制とはなりませんが,在留資格の更新手続きで,素行不良とされ,更新が不許可とされることがあります。

このような罰金を受けたことについては,警察,検察を通じて出入国管理局に報告されているので,更新の時には,包み隠さず正直に述べた上でもう二度という反省の気持ちを示すことが必要です。

 

③転職していた場合にはどうなるか

当初は技術・人文知識・国際業務の在留資格にあたる仕事をしていた方が,更新前に転職していた場合にはどうなるでしょうか。

この場合,転職先での仕事が「技術・人文知識・国際業務」に当たっていれば在留資格の更新ができます。ただし,転職先での仕事が「技術・人文知識・国際業務」に当たることの資料を提出しなければなりません。審査にかかる時間も,通常よりも長くかかることが予想されます。手続を円滑にするために,就労資格証明書の交付を受けておくことも可能です。

一方,転職先での仕事が「技術・人文知識・国際業務」に該当していない場合には,すぐに在留資格の変更が必要です。変更の手続きを怠っていると,資格外活動として入管法違反の刑罰に問われる可能性もあります。

 

更新の手続はお早めに

在留期間の更新申請は,期間満了の約3か月前から受理されます。更新の際に追加で書類が必要になる,審査に時間がかかってしまうというのは,よくあることです。

申請自体にも時間がかかるということも予定に組み込んで,早め早めに申請手続きは行うことを心がけましょう。

在留資格の更新について分からないこと,不安なことがあるという方は,ご遠慮なくご相談ください。

在留特別許可手続きが変わります

2020-10-13

各社の報道によると,在留特別許可の手続きが法改正によって変わる可能性が報じられています。

京都新聞 在留特別許可が「申請制」に

沖縄タイムス 在留特別許可が「申請制」に 入管庁,難民認定と区別

在留特別許可の手続きが変わるようですが,どのように変わる可能性があるのでしょうか。また,これまでの手続でどう不都合があったのか,解説します。

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技術・人文知識・国際業務の在留資格取得手続

2020-10-02

このページでは,技術・人文知識・国際業務の在留資格の概要と,取得にあたって必要になる書類について解説します。

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日本に留学中の外国人は働けるのか

2020-09-29

留学生を雇うと問題があるのか?

※このページは主に日本の事業主の方に向けた解説です。

留学のために来日する外国人留学生は年々増加しており,平成30年の統計によると,約33万人の外国人留学生が日本に在留しています(なお,日本における大学生の総数が約280万人程度と言われています)。

完全に自分一人で事業を行っている方を除けば,大半の事業主の方は人を雇って事業を営まれているかと思います。また,事業の形態や規模にもよりますが,正規の社員ではなく,アルバイトとして人を雇っているという方もいらっしゃるかと思います。

そして,現在のように外国人留学生が増加している中で,「留学生がアルバイト応募してきたのだけれど雇っていいのかな」という質問を持たれる方もいらっしゃいます。

今回は,留学生を雇う場合の問題点について取り上げます。

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オーバーステイと強制送還

2020-09-28
日本でオーバーステイとなってしまった場合,もう日本に在留することはできないのでしょうか。
日本に在留している外国人の方がオーバーステイとなった場合について解説します。

(さらに…)

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