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何罪だと強制送還になる?強制送還になる罪名まとめ

2021-08-11

刑事事件で有罪の判決を受けて,日本から強制送還されてしまうという方が,一定数います。

また,相談に来られる方の中には,「国選弁護士からは大丈夫だと言われていた」のに,強制送還の手続きに乗せられてしまっているという方もいます。

刑事事件で,特に国選弁護士となると,人によっては,入管法にも刑事事件にも,両方ともあまり詳しくない弁護士が担当してしまうことがあります。

外国人の方の刑事事件については,入管法も刑事事件も精通した弁護士が担当するのが望ましいでしょう。

今回は,「この罪名で,この判決を受けると強制送還になります」というまとめをしていきます。

自分,もしくは知人が強制送還になるのかどうか分からない,という方は是非確認して頂いて,今後の手続きについては弁護士にご相談ください。

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在留特別許可を争った裁判事例 東京地裁判決その6

2021-04-19

このページでは,在留特別許可を求めて争った裁判事例について,判決文を解説します。

今回の事例は,令和2年9月25日に東京地方裁判所で判決が言い渡された事例です。

この事例は,

短期滞在の在留資格で来日した外国人夫婦が,日本で子供二人を設けて生活していたものの,家族4人とも在留資格がなく,または在留期限を超えて不法残留を続けていたという事案です。入国管理局がこの家族を摘発し,家族4人全員について退去強制令書(強制送還)の手続きがなされたため,この家族は退去強制令書(強制送還)の取消しと,在留特別許可を求めて,大阪地方裁判所で裁判を起こしました。

外国人の方が有罪判決を受けた後に在留特別許可を求めて裁判を起こしたという事例については,前回も紹介したものがありますので,併せてご覧下さい。

在留特別許可が認められなかった例1

在留特別許可が認められなかった例2

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不法就労助長罪による逮捕・処罰

2020-11-24

このページでは,不法就労助長罪について詳しく解説します。

外国人を雇う事業主の方には必ず知っておいていただきたい内容になります。出入国管理法が定めている不法就労助長罪は「そんな法律は知らなかった」と言っても逃れられない規制ですし,「逮捕されるとは思わなかった」,「前科がつくなんて知らなかった」と思っていると,思わぬ結果になってしまうこともある事件です。

不安な点がある方は早めに弁護士に相談しましょう。

不法就労助長罪はどんな罪か

不法就労助長罪とは,日本で働くことが認められていない外国人を

1 事業のために働かせたり

2 日本で働くように自分の下で支配,管理したり

3 繰り返し(法律上は「業として」)日本での働き先を紹介したり

等した場合に犯罪になるというものです。


出入国管理法73条の2

次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一  事業活動に関し、外国人に不法就労活動をさせた者
二  外国人に不法就労活動をさせるためにこれを自己の支配下に置いた者
三  業として、外国人に不法就労活動をさせる行為又は前号の行為に関しあつせんした者


 

不法就労活動」とは何か

不法就労活動」とは,働く内容が違法かどうかという点ではなく,その外国人の方が「日本で適法に働く資格があるかどうか」が問題となります。

不法就労活動の典型例としては次のようなものがあります。

・在留資格がないが日本での生活費のために働く

・在留期間を過ぎてオーバーステイになったが生活費のために働く

・出国準備の在留資格や短期滞在の在留資格で働く

・週28時間のアルバイトが認められているがそれを超過して働く

このような場合には,出入国管理法上は不法就労活動として扱われることになります。

 

「させた」,「させる」とは何か

不法就労を「させる」とは,事業主として働かせた場合や,監督下で働くことを認めていた場合のことを言います。

「勝手に働いていたので知らない」と主張される方もいますが,外国人が自分の判断で働いていたとしても,その労働に対して給料を払っていた場合や会社に利益があったような場合には監督下で働くことを認めていたと判断され,不法就労をさせていたと見られることがあります。

 

逮捕されるのか

不法就労助長罪については事業主の方が最初に検挙されたり逮捕されたりするということは多くありません。

というのも,不法就労助長罪が発覚する場合というのは,まずは,労働者である外国人の方が不法残留(オーバーステイ)や資格外活動などにより,外国人の方が検挙され,そこから雇用主である事業主の方に対して捜査が及ぶことが多いようです。また,同業者や取引先からの告発や通報によって発覚するというケースもあるようです。

いずれのきっかけにしても,警察や出入国管理局が不法就労助長罪の疑いがあると判断すれば,他の従業員との口裏合わせや証拠隠滅のおそれがあるとして,逮捕されてしまう可能性があります。

実際に,事業主の方が逮捕される事例も多く発表されています。

不法就労助長罪による逮捕の報道例

在留資格のない外国人を工場に派遣していたとされる事件 https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20201118/1000056343.html

中国人留学生を風俗店で働かせていたとされる事件 https://www.sankei.com/west/news/201101/wst2011010008-n1.html

不法就労助長罪の疑いがかかると,逮捕から引き続いて最長20日間勾留されるおそれがあるほか,複数の従業員を別々の機会で働かせていた場合には再逮捕されることもあります。

逮捕されてしまってからでは自分で弁護士を探したり相談に行ったりすることが出来なくなります。少しでも不安な点がある方やこれから外国人を雇って事業を拡大しようと考えている方はあらかじめ専門家に相談しましょう。

 

前科がつくのか

不法就労助長罪について検挙,逮捕され,捜査された結果,不法就労助長罪の証拠が揃ったと見られると,多くの場合には起訴され,裁判になります。

不法就労助長罪は特定の被害者がいる事件ではありませんので,示談をして不起訴となるという事件ではありません。

不法就労助長罪については,「外国人が働けない状態だったとは知らなかった」と言っても処罰されることがあります。

出入国管理法上は,外国人が不法就労活動をしていることについて知らなかったとしても,事業者,雇用主の側に過失がなかった場合には処罰を免れないことが規定されています。やや難しい規定ですが,

  不法就労であるかどうか確認をしていた 不法就労であるかどうか確認をしなかった
不法就労であることを知っていた 処罰される 処罰される
不法就労であることを知らなかった 処罰されないことがある 処罰される可能性あり

上の表にあるように,処罰される場合の方が広くなっています。

不法就労助長罪について有罪となると,不法就労をさせていた規模や利益の程度,不法就労の内容が社会的に非難されるものかどうかという点に応じて,刑の重さが決められます。

不法就労によって大きな利益を得ていたこと(平成29年3月10日前橋地方裁判所太田支部),不法就労の規模が大きいこと(令和元年10月9日札幌地方裁判所),就労内容に売春が含まれていたこと(平成29年4月24日前橋地方裁判所)が刑を重くする事情として見られています。

会社や事業所の代表の方に対しては懲役刑と罰金刑の両方,法人に対しては罰金刑が科されることが多くなっています。これらはいずれも前科として扱われます。前科の内容によっては,会社の役員となることが出来ないことがある,各種許認可の手続ができないことがある,海外への渡航に制限が付くことがある等,種々のデメリットがあります。また,技能実習や特定技能の受け入れ機関となることが出来なくなるというデメリットもあります。

 

まとめ

不法就労助長罪の内容や逮捕されるのかどうか,前科がつくのかどうかという点について解説しました。

次回のページでは,不法就労助長にならないために気を付けるべき点について解説しますので,併せて読んでいただければと思います。

技術・人文知識・国際業務の在留期間更新

2020-10-16

技術・人文知識・国際業務の在留資格をお持ちの方の,在留期間を更新する際の手続きについて解説します。

 

更新申請のための必要書類

在留期間の更新にあたっては,以下の書類を準備します。

申請書の一部は,勤め先や雇用主が記載する部分があります。更新の手続きを始める前に,早めに記入してもらうようにしましょう。

申請書(こちらからもダウンロードできます) 

・写真(縦4cm・横3cm※三か月以内に撮影したもの) 1枚

・在留カードとパスポート(窓口で提示)

・働いている会社や団体の規模(カテゴリー1~4)に応じた必要書類

 例 四季報の写し,前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計票

   雇用契約書,職務経歴票等

・(勤め先の規模によって)住民税の課税証明書,納税証明書

在留資格の延長の場合には,住民税の課税証明書と納税証明書が必要になります。これらの書類については,多くの場合,市町村役場の窓口で取得できます。

一定の大きさ以上の機関で働いている場合には,課税証明書や納税証明書は取得する必要がありません。

 

申請窓口と審査にかかる期間

在留期間の延長申請は,各地方にある出入国管理官署に提出します(平日,日中の時間帯に申請に行きましょう)。

通常,審査にかかる時間は2週間から1ヶ月とされていますが,直近のデータによると,審査自体にかかる時間は,平均約17日とされています(令和2年4月から6月期のデータ)。

 

更新手続きの際の注意点

在留期間の延長にあたっては,次の点について注意して,申請手続きを行う必要があります。

①就労先が適正か,安定しているかどうか

技術・人文知識・国際業務の場合,働いている機関が,労働基準法に違反するようなところでないかどうか,今後も安定して続けられるかどうかが問題になります。

技術・人文知識・国際業務の在留期間を更新する場合,5年の更新が認められることもあります。今後5年先まで続けて働くことが出来るのかどうか,という点は審査の対象になります。

併せて,違法な労働環境ではないことも重要です。賃金が安すぎたり,労働時間が長すぎる等の事情は,労働者側には責任のない事情ですが,そのような環境で働き続けること自体が好ましくないとされるでしょう。

 

②在留期間中の生活はどうだったか

在留期間の更新を申請する場合,更新するまでの生活がどのようなものだったか,も重要です。特に重要となるのは次の2点です。

・納税義務を果たしているか

・素行の問題がなかったか

納税義務については,所得税,住民税の未納があることや,場合によっては所得税法や地方税法の違反によって処罰されていることが更新の手続で不利な事情になります。

なお,一部の税金については,一時的に払えない方のための猶予制度もあります。お金がないからと放っておくのではなく,使える制度は活用しておきましょう。正規の手続きを経て納税が猶予されている場合には,更新手続きでも資料を提出することで,更新許可を得られることがあります。

 

また,素行上の問題については,端的に,日本の法律で刑罰を受けなかったかどうかが問題になります。

一部の罪名については,有罪判決を受けたことや一定以上の刑罰を受けることで退去強制(強制送還)となりますが,退去強制されない罪名や刑罰の内容もあります。

よくある例としては,暴行罪や道路交通法違反(スピード違反等)で罰金判決を受けた場合です。この場合には,すぐに退去強制とはなりませんが,在留資格の更新手続きで,素行不良とされ,更新が不許可とされることがあります。

このような罰金を受けたことについては,警察,検察を通じて出入国管理局に報告されているので,更新の時には,包み隠さず正直に述べた上でもう二度という反省の気持ちを示すことが必要です。

 

③転職していた場合にはどうなるか

当初は技術・人文知識・国際業務の在留資格にあたる仕事をしていた方が,更新前に転職していた場合にはどうなるでしょうか。

この場合,転職先での仕事が「技術・人文知識・国際業務」に当たっていれば在留資格の更新ができます。ただし,転職先での仕事が「技術・人文知識・国際業務」に当たることの資料を提出しなければなりません。審査にかかる時間も,通常よりも長くかかることが予想されます。手続を円滑にするために,就労資格証明書の交付を受けておくことも可能です。

一方,転職先での仕事が「技術・人文知識・国際業務」に該当していない場合には,すぐに在留資格の変更が必要です。変更の手続きを怠っていると,資格外活動として入管法違反の刑罰に問われる可能性もあります。

 

更新の手続はお早めに

在留期間の更新申請は,期間満了の約3か月前から受理されます。更新の際に追加で書類が必要になる,審査に時間がかかってしまうというのは,よくあることです。

申請自体にも時間がかかるということも予定に組み込んで,早め早めに申請手続きは行うことを心がけましょう。

在留資格の更新について分からないこと,不安なことがあるという方は,ご遠慮なくご相談ください。

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