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技術・人文知識・国際業務のビザについて解説,どのような場合に認められるか
在留資格「技術・人文知識・国際業務」について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が紹介します。
この「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に該当する活動としては、日本の公私の機関との契約に基づいて行う理学、工学その他の自然科学の分野若しくは法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動(入管法別表第一の一の表の教授、芸術、報道の項に掲げる活動、二の表の経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、企業内転勤、介護、興行の項に掲げる活動を除く。)です。
「技術・人文知識・国際業務」の該当例としては、機械工学等の技術者・通訳・デザイナー・私企業の語学教師・マーケティング業務従事者等です。
「技術・人文知識・国際業務」の在留期間は、5年・3年・1年又は3月です。
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格には、更新回数に制限がありません。
ですので、外国人が持つ専門性を活かせる会社と雇用契約を結んでいる限りは日本で働き続けることができます。
ちなみに、もしも勤務している会社を退社した場合でも、「特定活動」の在留資格を取得して,一定期間は就職活動をすることが認められています。
また、10年以上日本に在留し、かつ今後も日本で生活していくのに十分な経済的基盤がある場合は、「永住権」を取得することができ、永住権を取得すれば、就労制限もなくなります。
さらに、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持つ外国人の家族は、「家族滞在」という在留資格で日本に住むことができます。
技術・人文知識・国際業務のビザが認められるケース
「技術・人文知識」の業務に従事する場合は、下記1のいずれかと2の要件を満たす必要があります。
1.① 従事しようとする業務について、当該技術または知識に関連する科目を専攻して大学を卒業、もしくはこれと同等以上の教育を受けていること
② 従事しようとする業務について、当該技術または知識に関連する科目を専攻して本邦の専修学校の専門課程を修了していること(ただし、「専門士」または「高度専門士」の称号が付与された者に限る)
③ 10年以上の実務経験(大学、高等専門学校、高等学校、中等教育学校の後期課程または専修学校の専門課程において当該技術または知識に関連する科目を専攻した期間を含む。)を有していること
2.日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること
「国際業務」に従事する場合は、下記1と2の要件を満たす必要があります。
1.従事しようとする業務に関連する業務について3年以上の実務経験を有すること(ただし、大学を卒業した者が翻訳、通訳または語学の指導に係る業務に従事する場合は除く)
2.日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること
大学を卒業した人であれば、大学で専攻した分野に関わらず国際業務に従事することができます。
最後に、「技術・人文知識・国際業務」で雇用しようとする外国人が上記の要件を満たしているかどうか確認する際は、以下のポイントに注意が必要です。
・学歴に基づいて申請する場合、「学習内容と従事する業務の関連性」
・実務経験に基づいて申請する場合、「実務経験と従事する業務の関連性」
上記のように、形式的には「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の取得要件がある場合でも、「学習内容と従事する業務の関連性」や「実務経験と従事する業務の関連性」が認められない場合は、許可されないこともありますので、「技術・人文知識・国際業務」についてご相談されたい方はお気軽にお問い合わせください。
もっともメジャーなビザ,「日本人の配偶者」ビザについて解説
在留資格「日本人の配偶者等」について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が紹介します。
この「日本人の配偶者等」の在留資格に該当する方としては、日本人の配偶者若しくは特別養子又は日本人の子として出生した者です。
「日本人の配偶者等」の該当例としては、日本人の方の夫又は妻・実子・特別養子などです。単なる養子の場合には,ビザを取得することはできません。
「日本人の配偶者等」在留期間は、5年・3年・1年又は6月です。
この「日本人の配偶者等」の在留資格を取得するメリットとしては、就労制限がないため、自由に仕事をしたり、パート、アルバイトをすることができ、他業種への転職もできます。
この「日本人の配偶者等」の在留資格には、在留活動に制限がないので大学や専門学校に通うこともできます。
また、永住者の申請をする場合に、日本人と婚姻していることにより永住者の在留要件が3年に短縮されます。
さらに、帰化申請をする場合にも、日本人と婚姻していることにより簡易帰化による在留期間の短縮特例があり帰化しやすいということもあります。
「日本人の配偶者等」の在留資格を申請する場合には、次の点に注意が必要です。
1.配偶者の場合
相手方の配偶者が死亡した場合や離婚した場合は含まれないということです。また、内縁の配偶者も含まれません。
実際に日本の法令に従って婚姻をしていることが必要であり、日本で入籍していない場合は、所定の方法により入籍してから申請することになります。
ここが審査の最大のポイントと言っても過言ではありませんが、婚姻の実体を伴っていることが必要となります。当然のことですが、偽装による結婚は認められません。
ここについては、単なる法律上の婚姻関係だけではなく、婚姻が実体を伴うものであることについて、写真や夫婦生活についての資料を提出し、個別具体的に審査がなされます。
2.日本人の実子・特別養子の場合
本人の出生後父又は母が日本国籍を離脱した場合であっても、日本人の子として出生した者に該当します。
逆に、本人の出生後にその父又は母が日本国籍を取得しても、日本人の子として出生した者には該当しませんのでご注意ください。
「日本人の配偶者等」という名前通り、日本人と婚姻することにより在留資格が認められるというイメージがあるかと思いますが、偽装結婚の例が少なからず存在することから、「婚姻の実体が伴っているか否か」というポイントについては、慎重に判断されることになります。
本当に結婚している場合であっても,申請内容によっては「不許可」となるケースもありますので、「日本人の配偶者等」についてご相談されたい方はお気軽にお問い合わせください。
連れ子を日本に呼び寄せることはできる?在留資格はもらえるのか
「連れ子定住」についてあいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
最近の在留資格に関するお問い合わせの中で、日本人と結婚した外国人のうち「日本人の配偶者等」の在留資格の方から、自分の子供(実子)の日本への呼び寄せに関するお問い合わせが増えています。
日本人配偶者の実子の呼び寄せというのはどのようなものかというと、およそ以下のような事例の場合です。
事例
(解説のための架空の事例です)
日本人男性AさんとB国女性のCさんは、国際結婚サイトで知り合いSNSを通して通じてお互いの信頼関係と愛情を育み、知り合ってから1年後に両国で結婚登録を行い、Aさんは、Cさんを海外から在留資格認定証明書で「日本人の配偶者」で呼び寄せました。
Cさんは「日本人の配偶者」として日本に来てから1年が経過し、ある程度日本での生活も慣れてきました。Cさんの在留資格も2回目の更新で「日本人の配偶者等」(3年)の在留資格が取得できました。
Cさんには前夫との間に生まれた一人娘の女の子Dさんがいます。この子の世話はB国にいるCさんの母親が面倒を見ています。Cさんはこの先日本で暮らしていく経済的余裕もある程度出来てきたので、DさんをB国から呼び寄せたいと考え,専門家に相談することにしました。
連れ子に認められる在留資格
まずCさんが自分の娘(実子)のDさんを日本に呼び寄せるにはどのような在留資格となるかというと、該当する在留資格は「定住者」となります。
「定住者」とは、他のいずれの在留資格にも該当しないものの、日本で相当期間の在留を認める特別な事情があると法務大臣が判断した者に在留資格を認めるために設けられたものです。
定住者の在留資格は「定住者告示」といって、上陸許可の判断において一定の類型の地位を定めて置き、いずれかの類型に該当する場合に入国・在留を認める在留資格の一つです。
入管法7条第1項第2号の規定により、入国審査官が上陸の許可に際して「定住者」の在留資格を決定できるのは、法務大臣が定住者告示をもってあらかじめ定めている地位を有する者としての活動を行おうとする外国人の場合に限られます。
上記の事例で該当する類型は、定住者という在留資格の中で、「定住者告示第6号二」で規定されています。
定住者告示第6号二の規定は,次の通りです。
日本人、永住者の在留資格をもって在留する者、特別永住者又は1年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留する者の配偶者で日本人の配偶者等又は永住者の配偶者等の在留資格をもって在留するものの扶養を受けて生活するこれらの者の未成年で未婚の実子
日本人と婚姻関係にある配偶者(夫又は妻)の実子であるが、婚姻関係にある日本人の実子ではない場合で、なおかつ未成年で未婚であることが条件となります。
なお成人年齢は,2022年4月1日から18歳に引き下げられました。
日本人・永住者の配偶者の方で、母国にいる子供を日本に連れて来て一緒に暮らしたいという方は、是非弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。
同性婚裁判,ビザへの影響は?
2023年6月8日,福岡地方裁判所にて,同性婚を認めていない現行法が憲法に違反する状態であるとの判決が出されました。
この裁判は,同性カップルが「異性婚と同性婚で法律上の取り扱いが異なるのは,平等ではない」と憲法違反を主張して国に損害賠償を求めた裁判です。
同様の裁判は2019年から全国各地で提訴されており,札幌地方裁判所,名古屋地方裁判所では既に「憲法に違反する」と判決,東京地方裁判所は「憲法に反する状態」と判決,大阪地方裁判所は「憲法に違反しない」と判決をしており,これで5件目の判決となりました。
「憲法違反」か「憲法違反の状態」かの違いについてはここでは深く言及しません。
在留資格,ビザの申請においても,今回の判決は影響がありうるため,現在の入管法が「同性婚」についてどのように扱っているか,今後どうなりうるかについて解説をします。
今の法律では,同性婚≠配偶者
現在の入管法では,同性婚として「パートナーシップ宣言」等をしていたとしても,原則として「配偶者」とは認められていません。
そのため,日本人と同性婚状態になった外国人の方は「日本人の配偶者等」とは認められていません。
今回,同性婚と異性婚を別に扱うことが憲法違反とされたことで,民法が変われば,同性婚についても「配偶者ビザ」が認められる余地が出て来るでしょう。
現在の「同性婚」の扱い
現在の入管法では,同性婚の場合,「特定活動」のビザを認めるようになっています。
元々,外国人同士の同性婚の場合,外国人のどちらかが日本でビザを取得していれば,その同性婚のパートナーについては「特定活動」の在留資格が認められてきました。
これは,平成25年に法務省が各地方の入管に対して通知しており,全国共通の取り扱いとなっています。
一方,日本人と外国人の同性カップルの場合,外国人の方に「特定活動」の在留資格が認められない,という状況がありました。
これは上記の,東京地方裁判所の判決があった事例で,裁判では「特定活動の在留資格を認めないのは憲法に違反する」と判断されているのです。
このような,全体的な裁判例の流れを見ると,同性婚であっても異性婚であっても,原則的には同じように取り扱うべきという流れがあり,このことは在留資格,ビザの場でも同じようです。
民法や入管法の改正状況次第では,日本人と外国人との同性カップルに対して「日本人の配偶者等」の在留資格や「定住者」といった在留資格が認められるようになるかもしれません。
その場合,「特定活動」の在留資格と比べても日本での活動に制約が減り,また,日本での経済活動(車や家をローンで購入する,事業や会社を立ち上げるなど)と言ったことがより一層やりやすくなることが予想されます。
入管実務上も,今後の同種裁判の帰趨には注目したいと思います。
ビザが失効する時の最終手段,在留特別許可とは何か解説
「在留特別許可」について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が紹介します。
「在留特別許可」については、法務省から在留特別許可に係るガイドラインが公表されています。
その中で、「在留特別許可の許否の判断に当たっては、個々の事案ごとに在留を希望する理由や家族状況、素行、内外の諸情勢、人道的な配慮の必要性、更には我が国における不法滞在者に与える影響等,諸般の事情を総合的に勘案して行うことと」とされています。また、その際の考慮する事項については、以下の通り記載されています。
まず積極要素については,入管法第50条第1項第1号から第3号に掲げる事由のほか,次の要素が挙げられています。
1.特に考慮する積極要素
(1)当該外国人が,日本人の子又は特別永住者の子であること
(2)当該外国人が,日本人又は特別永住者との間に出生した実子(嫡出子又は父から認知を受けた非嫡出子)を扶養している場合であって,次のいずれにも該当すること
ア 当該実子が未成年かつ未婚であること
イ 当該外国人が当該実子の親権を現に有していること
ウ 当該外国人が当該実子を現に本邦において相当期間同居の上,監護及び養育していること
(3)当該外国人が,日本人又は特別永住者と婚姻が法的に成立している場合(退去強制を免れるために,婚姻を仮装し,又は形式的な婚姻届を提出した場合を除く。)であって,次のいずれにも該当すること
ア 夫婦として相当期間共同生活をし,相互に協力して扶助していること
イ 夫婦の間に子がいるなど,婚姻が安定かつ成熟していること
(4)当該外国人が,本邦の初等・中等教育機関(母国語による教育を行っている教育機関を除く。)に在学し相当期間本邦に在住している実子と同居し,当該実子を監護及び養育していること
(5)当該外国人が,難病等により本邦での治療を必要としていること,又はこのような治療を要する親族を看護することが必要と認められる者であること
2.その他の積極要素
(1)当該外国人が,不法滞在者であることを申告するため,自ら地方入国管理官署に出頭したこと
(2)当該外国人が,別表第二に掲げる在留資格(注参照)で在留している者と婚姻が法的に成立している場合であって,前記1の(3)のア及びイに該当すること
(3)当該外国人が,別表第二に掲げる在留資格で在留している実子(嫡出子又は父から認知を受けた非嫡出子)を扶養している場合であって,前記1の(2)のアないしウのいずれにも該当すること
(4)当該外国人が,別表第二に掲げる在留資格で在留している者の扶養を受けている未成年・未婚の実子であること
(5)当該外国人が,本邦での滞在期間が長期間に及び,本邦への定着性が認められること
(6)その他人道的配慮を必要とするなど特別な事情があること
次に、消極要素については,次の要素が挙げられています。
3.特に考慮する消極要素
(1)重大犯罪等により刑に処せられたことがあること
例えば、凶悪・重大犯罪により実刑に処せられたことがある場合や違法薬物及びけん銃等,いわゆる社会悪物品の密輸入・売買により刑に処せられたことがある場合などです。
(2)出入国管理行政の根幹にかかわる違反又は反社会性の高い違反をしていること
例えば、不法就労助長罪,集団密航に係る罪,旅券等の不正受交付等の罪などにより刑に処せられたことがある場合や不法・偽装滞在の助長に関する罪により刑に処せられたことがある場合などです。
4.その他の消極要素
(1)船舶による密航,若しくは偽造旅券等又は在留資格を偽装して不正に入国した
(2)過去に退去強制手続を受けたことがある
(3)その他の刑罰法令違反又はこれに準ずる素行不良が認められる
(4)その他在留状況に問題がある
例えば、犯罪組織の構成員である場合などです。
在留特別許可の許否判断は,上記の1.2の積極要素及び3.4の消極要素の各事項について,それぞれ個別に評価し,考慮すべき程度を勘案した上,積極要素として考慮すべき事情が明らかに消極要素として考慮すべき事情を上回る場合には,在留特別許可の方向で検討することとなります。
したがって,積極要素が一つ存在するからといって在留特別許可の方向で検討されるというものではありません。
また逆に,消極要素が一つ存在するから一切在留特別許可が検討されないというものでもありません。
以上のように、「在留特別許可」については、「個別判断」というところにポイントがあります。
つまり、同じような事由に該当する場合であっても、許否の判断が異なる可能性が高いといえます。
法務省のガイドラインにおける消極要素に該当する場合であっても、積極要素によっては許可されることもありますので、「在留特別許可」についてご相談されたい方はお気軽にお問い合わせください。
「技能」ビザを得られる職種を解説
在留資格「技能」について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が紹介します。
この「技能」の在留資格に該当する活動としては、日本の公私の機関との契約に基づいて行う産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する活動です。
「技能」の該当例としては、外国料理の調理師やスポーツ指導者、航空機の操縦者、貴金属等の加工職人等です。
「技能」の在留期間は、5年・3年・1年又は3月です。
基準省令による「技能」の上陸許可基準は以下の通りです。
まず、申請外国人が次のいずれかに該当し、かつ日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けることが必要となります。
1.料理の調理又は食品の製造に係る技能で外国において考案され我が国において特殊なものを要する業務に従事する者で、次の①又は②のいずれかに該当するもの(第九号に掲げる者を除く。)
① 当該技能について十年以上の実務経験(外国の教育機関において当該料理の調理又は食品の製造に係る科目を専攻した期間を含む。)を有する者
② 経済上の連携に関する日本国とタイ王国との間の協定附属書七第一部A第五節1(c)の規定の適用を受ける者
2.外国に特有の建築又は土木に係る技能について十年(当該技能を要する業務に十年以上の実務経験を有する外国人の指揮監督を受けて従事する者の場合にあっ ては、五年)以上の実務経験(外国の教育機関において当該建築又は土木に係る科目を専攻した期間を含む。)を有する者で、当該技能を要する業務に従事する もの
3.外国に特有の製品の製造又は修理に係る技能について十年以上の実務経験(外国の教育機関において当該製品の製造又は修理に係る科目を専攻した期間を含む。)を有する者で、当該技能を要する業務に従事するもの
4.宝石、貴金属又は毛皮の加工に係る技能について十年以上の実務経験(外国の教育機関において当該加工に係る科目を専攻した期間を含む。)を有する者で、当該技能を要する業務に従事するもの
5.動物の調教に係る技能について十年以上の実務経験(外国の教育機関において動物の調教に係る科目を専攻した期間を含む。)を有する者で、当該技能を要する業務に従事するもの
6.石油探査のための海底掘削、地熱開発のための掘削又は海底鉱物探査のための海底地質調査に係る技能について十年以上の実務経験(外国の教育機関において 石油探査のための海底掘削、地熱開発のための掘削又は海底鉱物探査のための海底地質調査に係る科目を専攻した期間を含む。)を有する者で、当該技能を要す る業務に従事するもの
7.航空機の操縦に係る技能について千時間以上の飛行経歴を有する者で、航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第二条第十八項に規定する航空運送事業の用に供する航空機に乗り組んで操縦者としての業務に従事するもの
8.スポーツの指導に係る技能について三年以上の実務経験(外国の教育機関において当該スポーツの指導に係る科目を専攻した期間及び報酬を受けて当該スポー ツに従事していた期間を含む。)を有する者で、当該技能を要する業務に従事するもの又はスポーツの選手としてオリンピック大会、世界選手権大会その他の国 際的な競技会に出場したことがある者で、当該スポーツの指導に係る技能を要する業務に従事するもの
9.ぶどう酒の品質の鑑定、評価及び保持並びに ぶどう酒の提供(以下「ワイン鑑定等」という。)に係る技能について五年以上の実務経験(外国の教育機関においてワイン鑑定等に係る科目を専攻した期間を 含む。)を有する次①ないし③のいずれかに該当する者で、当該技能を要する業務に従事するもの
① ワイン鑑定等に係る技能に関する国際的な規模で開催される競技会(以下「国際ソムリエコンクール」という。)において優秀な成績を収めたことがある者
② 国際ソムリエコンクール(出場者が一国につき一名に制限されているものに限る。)に出場したことがある者
③ ワイン鑑定等に係る技能に関して国(外国を含む。)若しくは地方公共団体(外国の地方公共団体を含む。)又はこれらに準ずる公私の機関が認定する資格で法務大臣が告示をもって定めるものを有する者
以上のように、「技能」の在留資格については日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けることを前提に、様々な種類の仕事があり、それぞれの仕事につき実務経験などの条件がありますので、ご相談されたい方はお気軽にお問い合わせください。
結婚相手がいなくなった?婚約を解消するためにはどうしたらよいか
外国人との結婚で,安易に偽装結婚の相手となってしまった場合,公正証書原本不実記録罪という犯罪になってしまう可能性があります。
犯罪になるのかどうかという点については,前回の記事でもご紹介しています。
今回は,偽装結婚を解消するためにはどうしたらよいかという点について解説をします。
「離婚」をする場合,できない場合
婚姻状態を解消するとなると,まず思いつくのは「離婚」ではないでしょうか。
日本で離婚をする場合,お互いに合意して書面(離婚届)で届け出て行う方法と,裁判や審判で決める方法があります。
お互いに「離婚しましょう/そうしましょう」という意思の合致があるのであれば,裁判や審判を行う必要はないということです。
離婚の方法は国によっても異なり,「裁判をしないと離婚を認めない」という国もあります(宗教や文化の違いに基づくものです)。
一方,どちらか一方が離婚する意思がない場合には離婚届を出して離婚をするということができません。その場合には,裁判所の手続きによるしかありません。この,「離婚する意思がない場合」というのは,「離婚したくない!」という意思を持っている場合に限らず,「離婚したいのかしたくないのか,意思が分からない」という場合や,「そもそもどこにいるのか分からない」という場合まで含みます。
それでは,もしも偽装結婚の相手になってしまった場合,何らかの離婚のための手段を採ればよいのでしょうか。
実はここに落とし穴があります。そもそも,「偽装結婚」で作られた戸籍は,虚偽の戸籍です。そして,離婚は,真正な結婚を解消するというものですから,偽装結婚を解消するための離婚も虚偽の届出になってしまうのです。
偽装結婚を解消するためとはいえ,勝手に離婚をしてしまうと大変なことになってしまいます。
偽装結婚を解消するためには,事前に専門家とよく相談しておかなければなりません。
偽装結婚解消のための手続
それでは,偽装結婚を解消するには,何らかの裁判所での手続きを経る必要があります。
しかしながら,ほとんどの偽装結婚の場合,婚姻届けを出した後は,相手と連絡が取れなくなってしまうということがほとんどです。
どこにいるのか分からない外国人を相手に裁判を起こすことは,極めて困難です。
出入国管理局から資料を取り寄せる等して,そもそも裁判の相手が日本にいるのかどうかを調査する必要があります。
また,「今どこにいるのか」と言うことについて必要な調査を尽くさなければなりません。裁判所に対して「今どこにいるのか分かりません」と申告するだけでは足りず,「色んな調査活動をして,相手がどこにいるのか調べて,裁判のために出てきてくださいと言ってきたけれども,それでもわかりませんでした」と言えなければ,裁判所も取り合ってもらえません。
この調査活動は裁判を起こすの準備として必要になります。当然のことながら,これに加えて,裁判そのものの準備も必要です。
偽装結婚を解消したい,解消したいけれども相手がどこにいるのか分からない,という方は,弁護士等の専門家にご相談ください。
「特定活動」ビザは何種類ある?どんな時に認められる?
在留資格「特定活動」について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が紹介します。
この「特定活動」の在留資格に該当する活動としては、法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動が該当します。
「特定活動」の該当例としては、外交官等の家事使用人、ワーキング・ホリデー、経済連携協定に基づく外国人看護師・介護福祉士候補者等です。
「特定活動」の在留期間は、5年・3年・1年・6月・3月又は法務大臣が個々に指定する期間(5年を超えない範囲)です。
令和元年5月30日より、これまで制限されていた外国人の販売・接客業務への就労を認可する「46号告示」が施行され、注目されている在留資格といえます。
この「特定活動」には以下の3種類があります。
1. 出入国管理及び難民認定法に規定されている特定活動
法務大臣の告示ではなく入管法の中で規定されている特定活動のことです。
具体的には、以下の3種類があります。
①特定研究活動
研究機関の施設で特定の分野に関する研究、研究の指導及び教育をする活動のことです。上記と同様の分野に関連する事業を経営する活動も含まれます。
②特定情報処理活動
自然科学又は人文科学の分野に属する技術又は知識を要する情報処理に関わる業務に従事する活動のことです。
③特定研究等家族滞在活動及び特定情報処理家族滞在活動
①または②で滞在する外国人の扶養を受ける配偶者又は子が日本で行う活動のことです。
2. 告示特定活動
法務大臣があらかじめ告示している活動内容で、現在では46種類もの活動が存在しています。
具体的には、以下をご参照ください。
1号:外交官・領事官の家事使用人
2号の1:高度専門職・経営者等の家事使用人
2号の2:高度専門職の家事使用人
3号:台湾日本関係協会の在日事務所職員とその家族
4号:駐日パレスチナ総代表部の職員とその家族
5号の1:ワーキングホリデー
5号の2:台湾人のワーキングホリデー
6号:アマチュアスポーツ選手
7号:6号のアマチュアスポーツ選手に扶養されている配偶者あるいは子
8号:外国人弁護士
9号:インターンシップ
10号:イギリス人ボランティア
12号:短期インターンシップを行う外国の大学生
15号:国際文化交流を行う外国の大学生
16号:インドネシア人看護研修生
17号:インドネシア人介護研修生
18号:16号のインドネシア人介護研修生の家族
19号:17号のインドネシア人介護研修生の家族
20号:フィリピン人看護研修生
21号:フィリピン人介護研修生(就労あり。)
22号:フィリピン人介護研修生(就労なし。)
23号:20号のフィリピン人看護研修生の家族
24号:21号のフィリピン人介護研修生の家族
25号:医療・入院
26号:25号で治療を受ける者の日常生活の世話をする活動
27号:ベトナム人看護研修生
28号:ベトナム人介護研修生(就労あり)
29号:ベトナム人介護研修生(就労なし)
30号:27号のベトナム人看護研修生の家族
31号:28号のベトナム人介護研修生の家族
32号:外国人建設就労者
33号:在留資格「高度専門職」で在留している外国人の配偶者の就労
34号:高度専門職外国人あるいはその配偶者の親
35号:造船労働者
36号:研究・教育者あるいは、研究・教育に関する経営者
37号:情報技術処理者
38号:36号、37号の活動で在留する者に扶養される配偶者又は子
39号:36号、37号で在留する者あるいはその配偶者の親
40号:観光・保養
41号:40号で在留する外国人の家族
42号:製造業に従事する者
43号:日系四世
44号:外国人起業家
44号告示
45号:44号外国人の扶養を受ける配偶者又は子
46号:4年制大学又は大学院の卒業生でN1以上の日本語力を有する者
47号:46号で在留する外国人の扶養を受ける配偶者あるいは子
48号:東京オリンピックの関係者
49号:48号で在留する外国人の扶養を受ける配偶者あるいは子
3. 告示外特定活動
あらかじめ告示されてないが、慣例的に法務大臣が日本への上陸・在留を認める活動のことです。
代表的な告示外特定活動には、以下の3種類があります。
①日本に在留する外国人の方の高齢となったご両親や親の呼び寄せ
②就職先が決まらないまま卒業した留学生の就職活動
③在留資格更新が不許可となった場合の出国準備
以上のように、「特定活動」には多くの種類があり、それぞれに該当要件がありますので、ご相談されたい方はお気軽にお問い合わせください。
「研修」ビザの注意点,実は働かせてはいけなかった?
在留資格「研修」について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が紹介します。
この「研修」の在留資格に該当する活動としては、日本の公私の機関により受け入れられて行う技能等の修得をする活動(技能実習1号、留学における活動を除く。)が該当します。
この「研修」の在留資格の該当例としては、研修生です。
この「研修」の在留資格の在留期間は、1年・6月又は3月です。
この「研修」には、①実務研修を伴わない非実務研修と②実務を伴う研修の2種類があります。
基本的には、一般企業においては実務研修を伴わない非実務研修のみが対象となり、公的機関が行う研修については実務を伴う研修が可能ということになっています。
つまり,「研修」の在留資格の場合には,基本的には労働をしてはいけない(対価が生じるような活動をしてはならない)ことになるのです。
また、この「研修」の在留資格で来日する外国人は、基本的に労働者として取り扱われませんので、日本の労働関連法令(労働基準法や労働契約法など)は基本的に非適用となる点がポイントといえます。
そのため、研修を実施する企業と、研修で来日する外国人との間において、雇用契約を締結する必要はなく、研修を実施する企業としては賃金を支払う必要もないということになります。逆に,賃金を支払うような活動は不法就労や不法就労助長罪になってしまう可能性があります。
ただし、研修を実施する企業は、外国人に対して生活費として研修手当などを支給することがなります。賃金ではなく,あくまで滞在のための費用の援助です。
この「研修」の在留資格は、最長1年の在留期限があり、かつ日本で研修をした後に帰国することを前提としている在留資格ですので、在留資格「家族滞在」の対象となっておらず、家族を帯同することはできません。
「研修」のうち、①実務研修を伴わない非実務研修の場合の要件は、以下の6点です。
- 申請人が修得しようとする技能等が、同一の作業の反復のみによって修得できるものではないこと
- 申請人が18歳以上であり、かつ国籍又は住所を有する国に帰国後、日本において修得した技能等を要する業務に従事することが予定されていること
- 申請人が住所を有する地域において修得することが不可能又は困難である技能等を修得しようとすること
- 申請人が受けようとする研修が研修生を受け入れる日本の公私の機関(以下、受入れ機関)の常勤の職員で、修得しようとする技能等について5年以上の経験を有するものの指導の下に行われること
- 研修実施機関又はあっせん機関が研修生の帰国旅費の確保その他の帰国担保措置を講じていること
- 研修実施機関が研修の実施状況に係る文書を作成し、研修を実施する事業所に備え付け、当該研修の終了の日から1年以上保存することとされていること
この在留資格「研修」が不許可となる典型的なケースとしては、一般企業が受け入れる際に実務研修を伴う内容としてしまう場合が挙げられます。
前述の通り、原則として一般企業においては非実務研修のみに限定されているため、実務研修を伴う活動は認められていません。
一般企業において実務研修を伴う場合は、技能実習などの在留資格を取得する必要となるため、留意が必要です。
以上のように、外国人に「研修」をさせたいという目的で外国人を受け入れる場合で、ご相談されたい方はお気軽にお問い合わせください。
「留学ビザ」は日本で何ができる?ビザの取りやすさは?
在留資格「留学」について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が紹介します。
「留学」の在留資格に該当する活動としては、日本の大学、高等専門学校、高等学校(中等教育学校の後期課程を含む。)若しくは特別支援学校の高等部、中学校(義務教育学校の後期課程及び中等教育学校の前期課程を含む。)若しくは特別支援学校の中学部、小学校(義務教育学校の前期課程を含む。)若しくは特別支援学校の小学部、専修学校若しくは各種学校又は設備及び編制に関してこれらに準ずる機関において教育を受ける活動が該当します。
「留学」の在留資格の該当例としては、大学・短期大学・高等専門学校・高等学校・中学校及び小学校等の学生・生徒です。
「留学」での在留期間は、法務大臣が個々に指定する期間(4年3月を超えない範囲)となっています。
また、「留学」の在留資格を保有したまま、母国に一時帰国することも可能です。
ただし、出国期間が1年以上の場合は「再入国許可」、出国期間が1年未満の場合は「みなし再入国許可」の手続きを行う必要があります。
「みなし再入国」は、出国期間が1年未満の場合は、「再入国許可」の手続きをせずに再入国をすることが認められている簡易的な制度です。
ここで留意が必要なのは、一時帰国時に保有している在留期間が1年未以内に満了する場合は、再入国期間も在留期間と同じになることということです。
さらに、「留学」の在留資格を保有している者は、当該外国人の配偶者と子供であれば、一定の条件を満たすことで日本に呼び寄せることが可能です。
この場合、「家族滞在」の在留資格を申請して日本に呼び寄せることになりますが、次の3点を満たすことを証明する必要があります。
① 法令で認められた学校に留学していること
「法令で認められた学校」とは、大学・大学院・その他法務大臣が認めている学校が対象であり、日本語学校は含まれていません。
② 適法に結婚等をしてることが確認できること
③ 家族を扶養するための十分な資力があること
扶養者の貯金などの資力が不十分である場合には、母国の親族から仕送りなどがされていることなどを証明する必要があります。
最後に、「留学」の在留資格を有する者は、学業を目的とした在留資格のため、原則として報酬を得る活動(アルバイトなど)は資格外活動に該当するため認められていません。
この資格外活動とは、現在有している在留資格では認められていない報酬を得る活動のことをいいます。
しかし、この資格外活動許可(包括許可)を取得することにより、1週間に28時間以内のアルバイトが可能になります。
ただし、夏期・冬期休業等の教育機関の長期休業中は、1日8時間以内の就労(風俗営業等への従事を除き、教育期間に在籍している場合に限る。)が可能です。
なお、余談ですが、この「留学」の在留資格に対して就労活動に制限のない永住者などの身分系在留資格を持つ外国人は、資格外活動許可の対象にはならず、資格外活動許可を得ずにアルバイト等の就労に従事することが可能です。
以上のように、一言で「留学」と言っても、様々なルールがありますので、お困りの方はお気軽にお問い合わせください。
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