Posts Tagged ‘退去強制’
資格外活動として検挙される場合
このページでは,どのような場合に資格外活動として摘発されるかを解説します。
資格外活動に当たる場合
日本に在留する外国人の方は,在留中の活動に応じた在留資格が付与されています。それぞれの在留資格に応じて,日本でできること/できないことが変わります。
在留資格で認められる範囲外の活動を行う場合には資格外活動許可が必要になります。資格外活動許可の申請については,前回のページ「資格外活動許可の申請手続き」でも解説していますので併せてご覧下さい。
資格外活動とは,出入国管理法19条1項に反する行為を指します。
技術・人文知識・国際業務の在留期間更新
技術・人文知識・国際業務の在留資格をお持ちの方の,在留期間を更新する際の手続きについて解説します。
更新申請のための必要書類
在留期間の更新にあたっては,以下の書類を準備します。
申請書の一部は,勤め先や雇用主が記載する部分があります。更新の手続きを始める前に,早めに記入してもらうようにしましょう。
・写真(縦4cm・横3cm※三か月以内に撮影したもの) 1枚
・在留カードとパスポート(窓口で提示)
・働いている会社や団体の規模(カテゴリー1~4)に応じた必要書類
例 四季報の写し,前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計票
雇用契約書,職務経歴票等
・(勤め先の規模によって)住民税の課税証明書,納税証明書
在留資格の延長の場合には,住民税の課税証明書と納税証明書が必要になります。これらの書類については,多くの場合,市町村役場の窓口で取得できます。
一定の大きさ以上の機関で働いている場合には,課税証明書や納税証明書は取得する必要がありません。
申請窓口と審査にかかる期間
在留期間の延長申請は,各地方にある出入国管理官署に提出します(平日,日中の時間帯に申請に行きましょう)。
通常,審査にかかる時間は2週間から1ヶ月とされていますが,直近のデータによると,審査自体にかかる時間は,平均約17日とされています(令和2年4月から6月期のデータ)。
更新手続きの際の注意点
在留期間の延長にあたっては,次の点について注意して,申請手続きを行う必要があります。
①就労先が適正か,安定しているかどうか
技術・人文知識・国際業務の場合,働いている機関が,労働基準法に違反するようなところでないかどうか,今後も安定して続けられるかどうかが問題になります。
技術・人文知識・国際業務の在留期間を更新する場合,5年の更新が認められることもあります。今後5年先まで続けて働くことが出来るのかどうか,という点は審査の対象になります。
併せて,違法な労働環境ではないことも重要です。賃金が安すぎたり,労働時間が長すぎる等の事情は,労働者側には責任のない事情ですが,そのような環境で働き続けること自体が好ましくないとされるでしょう。
②在留期間中の生活はどうだったか
在留期間の更新を申請する場合,更新するまでの生活がどのようなものだったか,も重要です。特に重要となるのは次の2点です。
・納税義務を果たしているか
・素行の問題がなかったか
納税義務については,所得税,住民税の未納があることや,場合によっては所得税法や地方税法の違反によって処罰されていることが更新の手続で不利な事情になります。
なお,一部の税金については,一時的に払えない方のための猶予制度もあります。お金がないからと放っておくのではなく,使える制度は活用しておきましょう。正規の手続きを経て納税が猶予されている場合には,更新手続きでも資料を提出することで,更新許可を得られることがあります。
また,素行上の問題については,端的に,日本の法律で刑罰を受けなかったかどうかが問題になります。
一部の罪名については,有罪判決を受けたことや一定以上の刑罰を受けることで退去強制(強制送還)となりますが,退去強制されない罪名や刑罰の内容もあります。
よくある例としては,暴行罪や道路交通法違反(スピード違反等)で罰金判決を受けた場合です。この場合には,すぐに退去強制とはなりませんが,在留資格の更新手続きで,素行不良とされ,更新が不許可とされることがあります。
このような罰金を受けたことについては,警察,検察を通じて出入国管理局に報告されているので,更新の時には,包み隠さず正直に述べた上でもう二度という反省の気持ちを示すことが必要です。
③転職していた場合にはどうなるか
当初は技術・人文知識・国際業務の在留資格にあたる仕事をしていた方が,更新前に転職していた場合にはどうなるでしょうか。
この場合,転職先での仕事が「技術・人文知識・国際業務」に当たっていれば在留資格の更新ができます。ただし,転職先での仕事が「技術・人文知識・国際業務」に当たることの資料を提出しなければなりません。審査にかかる時間も,通常よりも長くかかることが予想されます。手続を円滑にするために,就労資格証明書の交付を受けておくことも可能です。
一方,転職先での仕事が「技術・人文知識・国際業務」に該当していない場合には,すぐに在留資格の変更が必要です。変更の手続きを怠っていると,資格外活動として入管法違反の刑罰に問われる可能性もあります。
更新の手続はお早めに
在留期間の更新申請は,期間満了の約3か月前から受理されます。更新の際に追加で書類が必要になる,審査に時間がかかってしまうというのは,よくあることです。
申請自体にも時間がかかるということも予定に組み込んで,早め早めに申請手続きは行うことを心がけましょう。
在留資格の更新について分からないこと,不安なことがあるという方は,ご遠慮なくご相談ください。
在留特別許可手続きが変わります
各社の報道によると,在留特別許可の手続きが法改正によって変わる可能性が報じられています。
京都新聞 在留特別許可が「申請制」に
沖縄タイムス 在留特別許可が「申請制」に 入管庁,難民認定と区別
在留特別許可の手続きが変わるようですが,どのように変わる可能性があるのでしょうか。また,これまでの手続でどう不都合があったのか,解説します。
薬物事件と強制送還
このページでは,日本で薬物事件を犯してしまったことにより強制送還となる場合について解説します。
外国人の薬物事件は多いのか?
平成31年に日本国内で検挙された外国人の方の事件は,約2万3千件で,そのうち起訴されたのは約8800件でした。その内細かい統計を見てみると,薬物事件(大麻取締法違反,麻薬取締法違反,覚せい剤取締法違反)で検挙されたのは約1600件,起訴されたのは約1000件でした。
統計を確認すると,外国人の方の事件として薬物事件が特別多いというわけではないことが分かります。
しかし,文化などの違いや偏見,密輸事件については外国人被疑者であることも多いため,いまだに外国人と薬物とのかかわりが疑われることがあります。
出入国管理法も,薬物事件に対しては厳しい態度で臨んでおり,薬物事件について有罪となり刑が確定すると強制送還の対象になってしまいます。
外国人の家族が有罪となった場合
外国人の方が日本で罪を犯してしまい,有罪の判決を受けてしまった場合にはどうなるのでしょうか。また,その家族に何か影響はあるのでしょうか。
在留資格や,どんな判決を受けるのかによって,扱いが異なってきますので,よくある質問について解説します。