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結婚相手に強制送還歴があるとどうなる?

2021-07-27

日本人と外国人との国際結婚は年々増加しています。

日本人と外国人の国際結婚の手続きについてはこちらでも解説しています。

ただ,結婚しようと思っている外国人の方が,過去に日本から強制送還(退去強制)されたことがある人だった,ということも珍しくはありません。

このページでは,過去に日本から強制送還されたことのある人と結婚して,日本で結婚生活を営むことが出来るのかどうかについて解説します。

この問題を考える時に,大きなポイントになるのは,「現に結婚相手が日本にいるのかどうか」です。

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強制送還→日本には入れない?再入国できない期間の解説

2021-07-13

日本から退去強制(強制送還)されてしまうと,数年は日本への再入国を拒否されてしまいます。

実際に何年間日本への再入国が拒否されるのかは,「どのような理由で強制送還になった」によって異なります。

「強制送還された後,日本に再入国するまでに待たなければならない期間」についてまとめました。

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永住権はどうやって取得するの?

2021-07-06

日本の「永住権」

日本で長く生活している外国人の方にとって,どうすれば永住権がもらえるか,というのはとても気になるでしょう。

「永住権」はどのようなもので,どんな場合に認められるなのか解説をします。

永住権については,こちらのページでも解説をしていますので,併せてご覧下さい。

永住者ビザ(永住許可)

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罰金の上限が300万円を超える?不法就労助長罪で送検,これからどうなる

2021-06-28

弁護士の足立です。

各種の報道などによると,ウーバーイーツを運営する日本の法人とその代表が,東京地方検察庁へ送致されたとの報道がありました。

ウーバーイーツ日本法人を書類送検 共同通信

ウーバージャパン幹部らを書類送検不法就労助長の疑い 朝日新聞

個人としての「人」ではなく,「法人」という会社全体も送致されているようですが,どういうことでしょうか。

また,送検された後はどのような流れになるのでしょうか。

以前解説した件についてはこちら

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外国人従業員が「勝手に」不法就労をした?不法就労助長罪の成立要素

2021-06-22

不法就労助長罪は,「事業活動に関し,外国人に不法就労活動をさせた」場合に成立する犯罪です。

出入国管理法73条の2第1号の違反となり,3年以下の懲役又は300万円以下の罰金が定められています。

この,①事業活動に「関して」外国人を働かせていたかどうか,また,②事業主が外国人に仕事を「させた」かどうかが争われた裁判例があります。

参照する裁判例は,東京高等裁判所が平成6年11月14日に判決を言い渡した不法就労助長罪の事件です。

この事件は,スナックを経営していた日本人がスナック店内で外国人に売春をさせていたという事件です。被告人は,あくまでスナック従業員として雇っていた外国人が勝手に売春をしていた,従業員に対して不法就労を命令していない,として無罪を主張していましたが,東京高等裁判所はこれを認めず,被告人を有罪とした一審判決を維持しました。

①事業に「関して」いるかどうか

「事業に関し」とは,運営・従事している事業のために必要な活動でなければ犯罪にならないとされています。

そのため,実際に雇い主が営んでいる事業と関係しない活動を,外国人が行ったとしても不法就労助長罪にはなりません。裁判例の被告人も,あくまで事業は「スナック」であったことを,外国人を雇っていたのも「スナックの従業員として」であることを主張していたようです。

ですが,この裁判例のスナックでは,

①外国人がスナック従業員として勤務しつつ,客との間で売春の合意ができた時には売春の対価のうち一部をスナックに支払っていたこと,

②売春のために店の外に出る時には店の了解が必要で店に断りなく売春をした場合には罰金が徴収されることになっていたこと

等の事実が認定され,看板としては「スナック」として経営されていたとしても,その実態は「売春スナック」であったから,事業に関して外国人を雇っていると判断されました。

この裁判例が「本件スナックが,正規の営業目的いかんにかかわらず」と述べているように,外国人を働かせている名目よりも,実質的にどんな業務に従事していたのかが判断の対象になります。

不法就労助長にあたらないように名目だけ適法な事業をさせていたとしても,従事していた業務の実質が判断されることになるので,外国人の雇い入れ時には注意しましょう。

②不法就労を「させた」かどうか

不法就労を「させた」といえるには,外国人を監督下において働かせたことを言うとされています。

そのため,外国人が全くの自由な判断で仕事をした場合には,不法就労助長罪とはなりません。

「外国人が『勝手に』働いていたのでは給料も支払われないのだから,そんな事態になるのはあり得ないのでは?」と思われる方がいるかもしれません。

しかし,ある事業主の下で外国人が働き,事業主からは給料が支払われなくとも,客から直接報酬が支払われるという業務であれば,そのような事態もあり得るのです。

先の裁判例においては,被告人が経営していたスナックで,外国人が売春行為をしたときに,客からの売春対価の一部が店舗に,残りが外国人の手元に残る形となっていました。そして東京高等裁判所は,不法就労をした外国人に対して,不法就労をさせた人が直接対価を支払っていなくても,犯罪は成立するとしています。

報酬を支払っていなくても,不法就労助長罪は成立するのです。

また,外国人従業員に対して不法就労することを業務として指示はしていないとしても,雇い主と従業員という上下関係があり,不法就労にあたる行為についての指導をしていたと証拠上認められたことから,不法就労を「させたといえる」と判断されました。

裁判例でみるべきポイント

具体的な事案での結論はそれぞれ異なる可能性があるので,「売春スナックだと不法就労助長になる」というロジックは正確ではありません。

一番重要なのは,「どのような要素から不法就労助長に該当すると判断されているか」という点です。

この裁判例からいえることは,不法就労助長罪が成立するかの判断で

①外国人が行った業務が,事業主が実質的に営んでいる業務なのかどうか

②「外国人に報酬を払っていない」というだけでは無罪にはならない,外国人の業務をどこまで是認していたか

が重要であるということです。

特に②については,事業主として作業場の管理が徹底していれば起きえない問題です。

管理が徹底していても,それでも外国人が不法就労をしていたということなのであれば(それだけ外国人が,巧妙に隠れて働いていた),『不法就労助長罪は成立しない』と争いやすくもなります。

外国人の雇用と不法就労助長罪について不安のある方は是非一度ご相談ください。

在留特別許可を争った裁判事例 東京地方裁判所その12

2021-06-18

このページでは,在留特別許可を求めて争った裁判事例について,判決文を解説します。

今回の事例は,平成19年6月14日に東京地方裁判所で退去強制(強制送還)令書の発布について取消しが言い渡された事例です。

この事例では,不法残留状態となった外国籍の男性Aさんが,日本人のBさんと内縁関係であったところ,入管に不法残留を摘発されたため,強制送還の手続きに付されました。一度退去強制令書が発布された後に,AさんとBさんは婚姻届を提出して法律上正式な夫婦となりました。

Aさんは,家族と日本に引き続き在留することを求めて,退去強制(強制送還)令書の取消を求めて裁判を起こしました。

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外国人のベビーシッター・お手伝いさんを雇う時の注意点

2021-06-16

日本では1990年以降,共働き世帯が増加していき,専業主婦世帯の数を大きく上回っています。

家事代行サービスの広がりもあり,単発,短時間であっても,家事代行のお手伝いさんやベビーシッターを利用したことがある,という方も多いのではないでしょうか。

中には,幼少期からの外国語教育のために,外国人のベビーシッターや家事代行サービスを利用する人もいるかもしれません。

外国人の在留資格の審査などをきちんと行っている企業を通じて,家事代行サービスを利用している分には不安は少ないのですが,個人的に外国人の方をお手伝いさんとして雇う場合には,気を付けなければならないポイントがあります。

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在留特別許可を争った裁判事例 東京地方裁判所その11

2021-06-10

このページでは,在留特別許可を求めて争った裁判事例について,判決文を解説します。

今回の事例は,平成26年1月10日に東京地方裁判所で退去強制(強制送還)令書の発布について取消しが言い渡された事例です。

この事例では,不法入国をした外国籍の男性Aさんが,日本国内で永住者であるBさんと内縁関係になり,2人の子供を一緒に養育していましたところ,入管に不法入国を摘発されたため,強制送還の手続きに付されました。

Aさんは,内縁関係やその家族と日本に引き続き在留することを求めて,退去強制(強制送還)令書の取消を求めて裁判を起こしました。

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家事代行,お手伝いさんの在留資格

2021-06-04

外国人の方が,日本で「家事手伝い(housekeeper,house servant)」の仕事をするために招聘されたり,日本への入国に帯同したりすることがあります。

基本的に日本の入管法では「日本人家庭のお手伝いさん」として外国人を雇うことは認めておらず,「外国人家庭のお手伝いさんとして」外国人を雇うことを認めているにすぎません。

家事手伝いの仕事をするための在留資格について,申請書類やその手続と併せて解説をします。

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入管法改正法案が廃案に,何か困ることは?

2021-05-31

先日,入管法改正案が国会で審理されず,廃案となる見通しである報道がありました。

このホームページでも入管法改正の動きについては解説していたところですが,これらの改正がなくなることになります。

過去の解説ページ

もしも入管法の改正があると手続きが一部変わる可能性がありました。改正案が廃案になったということで,今後の手続きで何か困る部分はあるのでしょうか。

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