偽装結婚,解消するための法的手段2つ!

偽装結婚をしてしまったら,どうやって解消したらよいのでしょうか。

また,家族や婚約者が過去に偽装結婚していることが分かった時,どう対応していったらよいのでしょうか。

多くの方は,「離婚をしたらいいのでは」と思うかもしれませんが,実はそうでもないのです。

偽装結婚状態の解消方法について,解説します。

偽装結婚をしてしまったという方の場合

実際に偽装結婚をしてしまったという方が「戸籍を元に戻したい」と思った場合,離婚ではなく,戸籍の訂正を行わなければなりません。

偽装結婚とは,結婚するつもりがないのに婚姻届けを出して,結婚したことにするという行為であり,この様な意思で出された婚姻届けは「無効」なものなのです。

一方,「離婚」とは,「いったんは有効に成立した結婚を,何らかの理由で解消する」というものになります。

そのため,偽装結婚の場合には,そもそも最初から有効な婚姻が成立していないことになるので,離婚ではなく,戸籍の訂正という手段を取ることになるのです。

戸籍を訂正する方法としては,①戸籍訂正を申立てる②婚姻無効確認訴訟の裁判を起こす,という2通りがあります。

どちらも,家庭裁判所で手続きを行うことになりますが,どの手続きを選択するかについては,偽装結婚について警察や捜査機関に発覚しているかどうかという問題とも関係してきます。

既に刑事裁判まで終わっていて,偽装結婚であることが裁判でも明らかになっているという場合には,その判決書をもってきて①戸籍の訂正を申し立てることによって,速やかに戸籍が元に戻ることもあります。

まだ刑事裁判にはなっていないという場合には,外国人の方を相手取って,婚姻無効確認訴訟を起こす必要があります。

婚姻無効確認訴訟とは,文字通り,提出された婚姻届けは「結婚する」という意思のない無効なものだったことを確認する,という訴訟です。

この訴訟を起こすときには,相手となる外国人の方がどこにいるのかが問題になります。

偽装結婚の相手になってしまったらどうなるのか

外国人と結婚したけれどもずっと同居していない,連絡が取れなくなってしまったという場合

偽装結婚とは,最初からお互いに,もしくは一方に,結婚する意思がないのに婚姻届けを出したという場合です。

これとは少し違って,最初は外国人と結婚するつもりだったけれども,結婚後その外国人が家に帰ってこなくなってしまったという方や,連絡が取れなくなってしまった,という方もいらっしゃるでしょう。

そのような場合は,直ちに偽装結婚だったとも言い切れないため,離婚の手続きをとることも考えられます。

外国人と離婚の手続きをとろうと思った時に,一番問題になるのは,その外国人の方が今どこにいるのか,という点です。

手続きをする時に日本にいてくれればよいのですが,日本にいるのかどうかさえ分からない,となると,離婚届を書いてもらう事すら難しくなります。

離婚しようと思っているけれども,外国人がどこにいるのか分からないという場合には,弁護士が入管などに対して照会をかける等の調査を行うことによって,外国人の所在が分かったり,必要な裁判上の手続きが分かったりすることがあります。

所在が分からない外国人との夫婦関係の解消についても,ご相談ください。

家族が偽装結婚をしていたという場合

お父さんや家族の戸籍を取ってみたら,知らない外国人と結婚していることになっていた,という場合には,ご家族が別途,戸籍を訂正するための手続きをとることができます。

上記のような婚姻無効確認訴訟を起こしたり,戸籍の訂正の申立てを行うことができます。

この際,裁判や申立てをする人と,戸籍を訂正する人との関係性から,「申立ての利益」や「訴えの利益」が認められるかどうかが問題となります。

赤の他人の戸籍を勝手に訂正するよう申し立てることができないように,このような申立てや訴えを起こすためには,「その手続をすることについて利害関係がある」場合でなければならないのです。

例えば,自分のお父さんやお母さんの戸籍を訂正するという場合には,相続人の範囲が変わる/親子間での扶養義務の有無が変わる,というように,「親の結婚が有効か無効であるかについて利害関係人である」と言えるため,手続を行うことができるでしょう。

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