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技能実習生のオーバーステイ事案,逮捕されてしまうのか?入国管理局へ出頭した方が良い?
【事例(フィクション)】
Aさんは、技能実習の在留資格で来日し、技能実習生として日本の工場で働き始めました。
当初は慣れない日本で、日本語を勉強しながら技能実習生として頑張って働いていました。
ところが、長時間労働にもかかわらず、残業代は払われず、元々の賃金も低く、渡航費用のためにした借金も全然減っていかないAさんは、精神的に追い詰められて、技能実習先から逃げ出してしまいました。
その後、技能実習の在留期間が切れてしまったAさんは、入管に出頭すれば、そのまま拘束されるのではないかと怖くなり、誰にも相談できないまま今に至ります。
まだこのことは入管や警察に発覚していませんが、Aさんの不安は日々大きくなっています。
【オーバーステイ(不法残留)とは】
オーバーステイとは、在留期間を過ぎて在留資格が無くなってしまった外国人の方が、その状態のまま日本に在留し続けることをいいます。
法律用語的には「不法残留」といい、入管法に違反しているということになります。
オーバーステイは、退去強制の対象となります。
オーバーステイとなってしまう理由は人それぞれ様々でしょう。
更新の期限を忘れていた場合や,更新手続きが認められなかったという場合,何らかの理由で出入国管理局に手続きに行くことができなかったなどなどの理由が考えられます。期限内に手続きをしていたのにオーバーステイになってしまったという方もいるかもしれません。その場合,在留期間の特例があります。特例についてはこちらでも解説をしています。
【オーバーステイ発覚前のお悩みについて】
オーバーステイ状態がまだ入管や警察には発覚していないという外国人の方は
①入管に出頭すべきか
②発覚したらすぐに逮捕されるのか
③もう日本に残ることはできないのか
④出国までずっと入管に収容されるのか
⑤オーバーステイの刑罰はどうなるのか
といったことでお悩みかと思います。
以下、順に見ていきましょう。
①入管に出頭すべきか
②~⑤で説明しますが、オーバーステイ状態になってから時間が経てば経つほど状況は悪化しかねず、出頭をしないままオーバーステイが発覚すれば、身体拘束、強制的な送還、重い刑罰のリスクが高まります。
手遅れの事態にならないよう、早く弁護士等の専門家に相談し、出頭も含め、適切な対応を取れるようにしましょう。
②発覚したらすぐに逮捕されるのか
出頭をせずに日々を過ごしていたところ、職務質問等のきっかけでオーバーステイが警察に発覚した場合は、逮捕されることが多いです。
入管に出頭した場合は、入管が警察へ通報すれば逮捕される可能性がありますが、オーバーステイの期間が短かったり、その他の事情次第では、通報されないまま入管での手続きを進めることになることもあります。
③もう日本に残ることはできないのか
オーバーステイは退去強制の対象となります。退去強制の手続きにかかった外国人の方が日本に残る手段は、在留特別許可を受けることのみになります。
在留特別許可は、基本的に簡単に得られるものではありません。
もっとも、日本人の配偶者や日本での養育が必要な子がいるなどの事情を考慮して在留特別許可を得られることもあります。
オーバーステイ状態を放置していても、日本での不安定な地位が続くだけなので、早く弁護士等の専門家に相談し、対応を考えましょう。
④出国までずっと入管に収容されるのか
オーバーステイのような退去強制事由にあたると判断されると、入管に収容されることがあります。
もっとも、Aさんのようにオーバーステイ以外には退去強制にあたることをしていない方が、出国の意思を持って入管に出頭した場合、オーバーステイが初めてであること、日本で一定の犯罪により刑を課されていないこと、パスポート、航空券の用意があることなどの条件をみたしていれば、出国命令制度によって、収容されずに簡単な手続きで出国することができます。
出国命令制度を使えれば、再度来日できるようになるまでの上陸拒否の期間は1年間となり、退去強制手続きの場合よりも早く再来日できるので、在留特別許可を得ることが厳しい場合は、出頭して出国命令制度を利用することも選択肢として考えましょう。
また、収容中に、仮放免の許可を得られれば、収容を解かれた状態で手続きが進むことになります。
仮放免の許可を得るためには、仮放免を必要としており、かつ手続きの進行上認めても差支えがないという事情をしっかりと伝えなければいけないので、弁護士に相談することをおすすめします。
⑤オーバーステイの刑罰はどうなるのか
オーパーステイの期間が短く、そうなった理由や行状が悪くなければ、不起訴となることもあります。
逆に、オーバーステイの期間が長かったり、そうなった理由や行状が悪ければ悪いほど、罰金、執行猶予と、刑罰は重くなっていきます。
刑罰についてもご不安であれば、弁護士に相談しましょう。
【まとめ】
以上のとおり、オーバーステイがまだ発覚していない外国人の方は、そのまま放置していたら状況は悪化していくかもしれないので、早く弁護士等の専門家に相談し、出頭を含めた適切な対応をとっていくことをおすすめします。
密航で日本に来たことが発覚するとどうなる?不法入国での逮捕,強制送還はどうなるのか
事例
以下の事例はフィクションです。
外国人のAさんは、密航によって日本に来ました。
日本で生活していく中でAさんは、日本人と恋をして結婚し、2人の間には子どもが生まれました。
日本でできた家族と一緒に暮らしてきたAさんでしたが、ある日、Aさんと同じように日本に密航をしてきた同郷の知人が、不法滞在で逮捕されたらしいと、風の噂で聞きました。
Aさんは、自分も不法滞在が発覚して逮捕・収容され、本国へ強制送還されるのではと不安で、眠れない日々が続いています。
不法入国・不法上陸と退去強制
不法滞在という言葉がありますが、この言葉には、適法に日本に入国・上陸した後、在留資格の期限が過ぎても日本に滞在し続ける不法残留(オーバーステイ)と、密航等、日本への入国・上陸自体が違法である不法入国・不法上陸の外国人の滞在が含まれます。
オーバーステイ、不法入国・不法上陸といった事情で不法滞在中の外国人の方は、退去強制の対象となります。
不法入国・不法上陸発覚前のお悩みについて
Aさんのように、不法入国・不法上陸がまだ入管や警察に発覚していない外国人の方は
①発覚したら逮捕されるのか
②もう日本に残ることはできないのか
③出国までずっと入管に収容されるのか
④不法入国・不法上陸の刑罰はどうなるのか
といったことでお悩みかと思います。
以下、順に見ていきましょう。
①発覚したら逮捕されるのか
逮捕、収容、退去強制といったことが怖くて出頭をせずに日々を過ごしていたところ、職務質問や、同じく不法滞在をしている知人の逮捕等のきっかけで不法滞在が警察に発覚した場合は、逮捕されることが多いです。
②もう日本に残ることはできないのか
不法入国・不法上陸は退去強制事由にあたりますので、それでも日本に残るための手段は、在留特別許可を受けることのみになります。
在留特別許可は、基本的に簡単に得られるものではありません。
また、一般的に、来日の入口が適法であるオーバーステイに比べて、来日の入口から違法である不法入国・不法上陸の方が、在留特別許可の判断にあたってマイナスにはたらくことが多いです。
もっとも、Aさんのような、日本人の配偶者がいて、子どももいるという事情は、在留特別許可の判断にあたってプラスになります。
他にも、違反の悪質性、日本での在留期間、婚姻期間、子どもの年齢や日本での養育を必要とする事情、退去強制歴はないか、日本での行状等、様々な要素が絡むので一概には言えませんが、不法入国・不法上陸の場合でも、在留特別許可が得られるケースはあります。
在留特別許可の判断についてはガイドラインが策定されており,判断の参考になります。
不法入国・不法上陸により日本に滞在している方は、いつまで経っても不安定な地位は解消されないままなので、入管に出頭し、真摯な態度を示した上で在留特別許可を得るための努力をするということも検討されてはいかがでしょうか。
在留特別許可が得られる見込みについては、前述のとおり様々な事情が絡む問題なので、おひとりで悩まずに、まずは専門家である弁護士等に相談することをおすすめします。
③出国までずっと入管に収容されるのか
不法入国・不法上陸のような退去強制事由にあたると判断されると、多くの場合は、入管に収容されることになります。
もっとも、仮放免の許可を得られれば、収容を解かれた状態で手続きが進むことになります。
仮放免の許可を得るためには、仮放免を必要としており、かつ手続きの進行上認めても差支えがないという事情をしっかりと伝えなければいけないので、弁護士に相談することをおすすめします。
④不法入国・不法上陸の刑罰はどうなるのか
これも事情によるので一概には言えませんが、懲役刑については、執行猶予が付いて刑務所には入らずにすむケースが多いです。
刑罰についてもご不安であれば、弁護士に相談しましょう。
おわりに
不法入国・不法上陸により日本に滞在している外国人の方は、いつまで経っても終わらないお悩みをそのままにしておくより、出頭して在留特別許可を得るという対応等について、まずは弁護士等の専門家にご相談ください。
うっかりオーバーステイ,どうしたらいい?入管に出頭すべき?逮捕されてしまう可能性は?
事例
(フィクションです)
Aさんは、技能の在留資格(いわゆる就労ビザの中の1つ)で来日し、調理人として日本のお店で働いてきました。
在留期間の終わりが迫る中、Aさんは日々のお店での業務が忙しく、在留資格の更新手続きを後回しにしていたところ、うっかり在留期間を過ぎることになってしまいました。
後で在留期間が過ぎてしまったことに気付いたAさんは、入管に出頭すれば、そのまま拘束されて本国へ退去強制させられてしまうのではないかと怖くなり、誰にも相談できないまま今に至ります。
まだこのことは入管や警察に発覚していませんが、Aさんの不安は日々大きくなっています。
オーバーステイ(不法残留)とは
オーバーステイとは、在留期間を過ぎて在留資格が無くなってしまった外国人の方が、その状態のまま日本に在留し続けることをいいます。
法律用語的には「不法残留」といい、入管法に違反しているということになります。不法残留によって逮捕、起訴されてしまうと法律上、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金が課されます。
オーバーステイは、退去強制の対象となります。
オーバーステイ発覚前のお悩みについて
オーバーステイ状態がまだ入管や警察には発覚していないという外国人の方は
- 入管に出頭すべきか
- 発覚したらすぐに逮捕されるのか
- もう日本に残ることはできないのか
- 出国までずっと入管に収容されるのか
- オーバーステイの刑罰はどうなるのか
といったことでお悩みかと思います。
以下、順に見ていきましょう。
入管に出頭すべきか
オーバーステイ状態になってからは、時間が経てば経つほど状況は悪化し、出頭をしないままでオーバーステイが発覚すれば、身体拘束、強制的な送還、重い刑罰といったリスクが高まります。
手遅れの事態にならないよう、早く弁護士等の専門家に相談し、出頭も含め、適切な対応を取れるようにしましょう。
発覚したらすぐに逮捕されるのか
出頭をせずに日々を過ごしていたところ、職務質問や交通違反の時の手続等のきっかけでオーバーステイが警察に発覚した場合は、逮捕されることが多いです。
入管に出頭した場合は、入管が警察へ通報すれば逮捕される可能性がありますが、オーバーステイの期間が短かったり、その他の事情次第では、通報されないまま入管での手続きを進めることになることもあります。
「入管への出頭≠警察での逮捕」ですから,もしも日本での在留を希望する場合には早めに手を打たなければいけません。
もう日本に残ることはできないのか
在留期間の最後の日から2か月以内であれば、在留資格更新の「特別受理」といって、更新を申請できて許可されることがあります。
特別受理が認められるのは、病気や怪我などのやむを得ない事情で在留期間中に更新手続きを行えなかった場合が典型ですが、Aさんのようにうっかり在留期間を過ぎてしまった場合でも、他の事情次第で認めれらる余地があります。
2か月を過ぎてしまっていたり、事情により特別受理が認められないのであれば、オーバーステイの方が日本に残る手段は、在留特別許可を受けることのみになります。
在留特別許可は、基本的に簡単に得られるものではありません。
もっとも、Aさんのように、うっかり在留期間を過ぎただけで他には退去強制にあたることはしていない方の場合は、日本で長期間生活している、日本に家族がいるなどの事情を考慮して在留特別許可を得られる可能性があります。
オーバーステイを放置して時間が経てば経つほど、隠れながらあえて残留し続けていたと見られ、在留特別許可の判断は厳しくなっていきますので、早く弁護士等の専門家に相談し、対応しましょう。
出国までずっと入管に収容されるのか
オーバーステイのような退去強制事由にあたると判断されると、手続き上,全ての事件で入管に収容されることになります。
これを「全件収容主義」といい,入管当局は基本的に「退去強制事由がある事件については全ての事件で収容のための手続きをとる」としているのです。
ただ,入管に収容する手続きが取られてしまっても,例外的に釈放する手続きが設けられています。
Aさんのようにオーバーステイ以外には退去強制にあたることをしていない方が、出国の意思を持って入管に出頭した場合、オーバーステイが初めてであること、日本で一定の犯罪により刑を課されていないこと、パスポート、航空券の用意があることなどの条件をみたしていれば、出国命令制度によって、収容されずに簡単な手続きで出国することができます。
出国命令制度を使えれば、再度来日できるようになるまでの上陸拒否の期間は1年間となり、退去強制手続きの場合よりも早く再来日できるので、在留特別許可を得ることが厳しい場合は、出頭して出国命令制度を利用することも選択肢として考えましょう。
また、収容中に、仮放免の許可を得られれば、収容を解かれた状態で手続きが進むことになります。
仮放免の許可を得るためには、仮放免を必要としており、かつ手続きの進行上認めても差支えがないという事情をしっかりと伝えなければいけないので、弁護士に相談することをおすすめします。
オーバーステイの刑罰はどうなるのか
オーパーステイの期間が短く、そうなった理由や行状が悪くなければ、不起訴となることもあります。
逆に、オーバーステイの期間が長かったり、そうなった理由や行状が悪ければ悪いほど、罰金、執行猶予と、刑罰は重くなっていきます。
【まとめ】
以上のとおり、オーバーステイがまだ発覚していない外国人の方は、そのまま放置していても状況は悪化していくだけです。
- 日本に残り続けたい
- 入管での収容を避けたい
という方は,速やかに弁護士等の専門家に相談し、出頭を含めた適切な対応をとっていくことをおすすめします。
強制送還されたことがあっても再入国はできる?上陸特別許可の解説
「上陸特別許可」について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が紹介します。
「上陸特別許可」とは、一般的には入国拒否期間中であるにもかかわらず、日本への入国が認められる許可のことをいいます。
「上陸特別許可」は、いわゆる入管法第12条に定められています。
上陸拒否期間中は原則として日本に入国することはできませんが、当該期間が経過したことにより必ず日本に入国できるというわけではありません。
上陸拒否期間経過後は「上陸拒否期間中のため」という理由により日本への入国が拒否されることはありませんが、他の別の理由で拒否される可能性はあります。
つまり、上陸拒否期間が経過することと、「日本人の配偶者等」などの在留資格が与えられることは全くの別の問題となります。
退去強制された外国人が過去に日本で法律違反を繰り返している場合などには、日本に正式な配偶者と実子がいても全くビザが許可されない事もあります。
あくまでも、過去の滞在状況と今回の呼び寄せる理由とを比べて総合的に判断されることになりますので、形式的に上陸拒否期間が経過したことだけをもって在留資格が認められるというわけではないことに注意が必要です。
また、一度退去強制されてからどれくらいの期間が経過すれば上陸特別許可が認められるかについては一概に何年という基準はありません。
退去強制事由によっても異なりますが、一般的には退去強制されてから3~4年程度経過した場合に許可されるケースが多いようです。
ただし、「上陸特別許可」は「在留特別許可」と同様に正式に認められた申請ではなく、日本への入国に際しても相当の理由が必要となるため、誰に対しても許可がおりるわけではなく、何度申請しても不許可となる可能性もあります。
「上陸特別許可」を申請する外国人を取り巻く環境などにより異なるので、一概に退去強制から何年経過すれば入国ができるということは出来ません。
そこで、事前に在留資格認定証明書交付申請を行い、あらかじめ上陸拒否者であることを前提とした審査を経る必要があります。
上記のように、「上陸特別許可」は正式に認められた申請ではないことから、どのような条件であれば認められるかが非常に難しいものになります。
「上陸特別許可」についてお困りの方はお気軽にお問い合わせください。
強制送還の危機!知っておくべき手続きと弁護士への相談方法
強制送還とは、日本に滞在する外国人が一定の違法行為をした場合、日本から強制的に送り返される手続きです。
この記事は、強制送還の危機に直面している外国人、特に留学生や労働者、その家族や関係者に向けて書かれています。
強制送還は、留学や仕事、家庭生活に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
そのため、手続きの流れを理解し、適切な対応を取ることが非常に重要です。 この記事では、実際の事例を交えながら、強制送還手続きの詳細、弁護士に相談するメリットについて解説します。
事例
(事例はフィクションです)
Aさんは、日本の大学に留学中の20歳の男性です。
東京都内の電車で、Aさんは痴漢行為をしてしまいました。 この行為が目撃され、駅で警察によって現行犯逮捕されました。
Aさんが痴漢行為をした理由は、ストレスと好奇心からでした。逮捕後、警察の取り調べを受け、結果として罰金刑が科されました。
この事件により、Aさんは強制送還の対象となるのではないかと不安になりました。 留学生である彼にとって、この結果は日本での学業と将来に重大な影響を与えるものでした。
この事例から、どんなに些細な違法行為でも、それが強制送還につながる可能性があることを理解することが重要です。 特に、留学生や労働者といった在留資格を持つ外国人は、一度強制送還の対象となると、その後の日本での生活が非常に困難になります。
強制送還手続きの全体像
強制送還手続きは、正式には「退去強制」と呼ばれ、以下の4つの主要な段階があります。
- 理由となる事実の発生: これにはオーバーステイ、不法就労、虚偽の申請、犯罪歴などが含まれます。
- 入国警備員による調査: 理由となる事実が発生した場合、入国管理局が調査を実施します。
- 入国審査官による審査: 調査の結果を基に、強制送還が適法かどうかの審査が行われます。
- 法務大臣による裁決: 審査結果に不服がある場合、口頭審理と法務大臣の裁決が行われます。
強制送還の理由になる事実は、一定の入管法違反や刑事事件で有罪判決を受けた場合などがあります。 特に、犯罪で有罪判決を受けた場合、その内容によっては強制送還される可能性が高くなります。
入国警備員による調査では、具体的な違反事実とその証拠が確認されます。 この段階で事実を争う場合、証拠を提出する必要があります。
入国審査官による審査は、調査結果を基に行われ、審査が不服であれば口頭審理が続きます。 最終的には法務大臣の裁決によって、強制送還をするか、在留特別許可をするかが決定されます。
この手続きは複雑であり、専門的な知識が必要です。 そのため、弁護士のアドバイスが非常に重要となります。
弁護士に相談することのメリット
強制送還手続きは非常に複雑で、専門的な知識が必要です。 そのため、弁護士に相談することには以下のようなメリットがあります。
- 専門的なアドバイス: 弁護士は入管法や刑法に精通しているため、具体的なケースに最適なアドバイスを提供できます。
- 手続きのサポート: 強制送還手続きには多くの書類や手続きが必要です。弁護士はこれらのプロセスをスムーズに進めることができます。
- 口頭審理での代理: 弁護士は口頭審理での代理人としても活動でき、より有利な状況を作ることが可能です。
- 在留特別許可の申請: 強制送還が確定した場合でも、在留特別許可の申請が可能です。弁護士はこの申請に必要な書類の作成や手続きをサポートします。
- 心のサポート: 強制送還手続きは精神的にも大きな負担となります。弁護士はそのような時に心のサポートも提供してくれます。
弁護士に相談することで、強制送還手続きをよりスムーズに、そして確実に進めることができます。 特に、強制送還が確定すると日本での生活が非常に困難になるため、早めの相談が推奨されます。
Aさんの事例の場合,「痴漢行為をしてしまった」ということですので,各都道府県に定められている迷惑行為防止条例違反か,不同意わいせつ罪(刑法176条)として処分を受ける可能性が高くあります。このケースで強制送還となるリスクが生じるのは
- 1年を超える実刑判決を受けてしまった場合
- 実刑判決にならなかったとしても,その後のビザの更新や変更が認められず不法滞在(オーバーステイ)となってしまった場合
になります。
Aさんのように痴漢で逮捕されてしまったという場合,まずは1年を超える実刑になってしまうリスクに対応しなければなりません。
罰金刑に処せられた場合,その後のビザの更新,変更の手続きにおいて,申請が許可されないという可能性も十分にあり得ます。そのため,刑事事件においても出来る限り軽微な処分を得ることが非常に重要です。
まとめ
この記事では、強制送還手続きとその法的側面について詳しく解説しました。 特に、留学生のAさんが痴漢で逮捕された事例を通じて、強制送還のリスクとその手続きについて具体的に説明しました。
また、強制送還手続きが進む各段階、入国警備員による調査から法務大臣による最終裁決までのプロセスを解説しました。 このような複雑な手続きを理解し、適切に対応するためには、専門的な知識と経験が必要です。
弁護士は法的問題を解決するための重要なパートナーです。早めの相談と適切な対応が、強制送還という厳しい結果を回避、またはその影響を最小限に抑える鍵となります。
強制送還は、その対象となる外国人にとって、人生に大きな影響を与える可能性があります。ですから、この記事が強制送還手続きについての理解を深める一助となれば幸いです。
在留期間更新とその特例,期限を過ぎてしまったらどうなるのか
在留期間と出国準備のための特定活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
在留カードを所持して日本で暮らしている外国人が、在留カードに記載されている在留期間の満了後も引き続き日本で暮らしていきたい場合は、在留期間の満了前に在留更新・在留変更等の在留申請手続きを行い、入国管理局の許可を得ることが必要です。
(入管法第20条第3項、入管法第20条第2項、入管法施行規則第21条)
では、在留期限の前に在留申請した場合で申請人の在留期限が経過した後に、入管が処分の通知を出した場合はどうなるのでしょうか?
この場合、在留期間がすでに超過しているとして超過滞在(オーバーステイ)となるのでしょうか?
たとえ在留申請を在留期限前に行ったとしても、在留期限ギリギリに更新申請をした場合やお盆や正月後等、入管が込み合っているときに在留申請した場合は、入管の処分(申請結果)が申請人の在留期間経過後に出されることは十分に想定されます。
通常は在留期限が1日でも経過していたら本来超過滞在(オーバーステイ)ですが、上記のような場合に超過滞在を避けるため、入管側の対応として以下のように法で規定されています。
(入管法20条6項)第二項の規定による申請があった場合(三十日以下の在留期間を決定されている者から申請があった場合を除く。)において、その申請の時に当該外国人が有する在留資格に伴う在留期間の満了の日までにその申請に対する処分がなされないときは、当該外国人は、その在留期間の満了後も、当該処分がされる時又は従前の在留期間の満了の日から二月が経過する日が終了する時のいずれか早い時までの間は、引き続き当該在留資格をもって本邦に在留することができる。
少しわかりにくい条文ですが、在留カードを所持している方が,在留期間更新許可申請又は在留資格変更許可申請(以下「在留期間更新許可申請等」という。)を行った場合において,当該申請に係る処分が在留期間の満了の日までになされないときは,当該処分がされる時又は在留期間の満了の日から二月が経過する日が終了する時のいずれか早い時までの間は,引き続き従前の在留資格をもって我が国に在留できます、ということです。
例えば在留期限が4月30日の在留期限の方が、在留更新申請を4月15日に行い、審査結果が5月15日に出た場合は、処分がなされた5月15日までは従前の在留資格で適法に滞在できるので超過滞在にはなりません。仮に処分(結果)がでない場合でも6月30日までは適法に滞在できます。
時系列に直すと次のような形です。
- 4月15日 在留期間の更新申請
- 4月30日 本来の在留期限
- (5月1日)本来はこの日から不法滞在(オーバーステイ)
- 5月15日 在留期間の更新許可(4月30日から5月15日までの間はオーバーステイにはならない)
- (6月30日 更新の結果が出ていなくても,この日まではオーバーステイにならない)
ただし、申請してから2月近く経過しても処分(結果)が通知されないのは明らかにおかしいので、速やかに入管に問い合わせをしましょう。
申請から2か月以内に入管から許可通知が届いたが、指定された期限までに入管に出頭せずに、在留期限から2か月が経過した場合はどうなるかについてですが、
この場合は、在留期限を経過したものとして超過滞在(オーバーステイ)となります。
超過滞在にならないよう在留期限にはくれぐれも注意しましょう。
強制送還の危機!仮放免手続きで何ができる?
強制送還とは、日本に滞在している外国人が一定の理由で日本を去るように強制される手続きです。
この記事では、強制送還の手続きと、それを避けるための「仮放免」について詳しく解説します。
事例紹介
実際に強制送還の対象となりうるケースを一つ挙げて解説をします(以下の事例はフィクションです)。
Aさんは20年以上日本に滞在していましたが、オーバーステイで逮捕され、強制送還の対象となり入管に収容されてしました。 オーバーステイとなってしまった間に、Aさんは日本人女性と結婚していました。
逮捕されてしまった後、Aさんの家族は弁護士に相談し、仮放免の手続きを行いました。 結果として、Aさんの身柄は解放され、その後の手続きで在留資格を取得することができました。
このように、強制送還の危機に直面した場合でも、適切な手続きと専門家のアドバイスによって問題を解決することが可能です。 特に、長期間の滞在や家庭状況なども考慮されるため、総合的な対応が求められます。
法律解説
強制送還手続きは、正式には「退去強制」と呼ばれ、主に4つの段階を踏むことになります。
- 理由となる事実の発生(例:オーバーステイ、不法就労、虚偽の申請、犯罪歴など)
- 入国警備員による調査
- 入国審査官による審査
- (場合によっては)法務大臣による裁決
退去強制の理由が発生した場合、その事実を入国管理局が知ると調査が始まります。 調査の結果は、入国審査官へ引き継がれ、「強制送還をすることが適法かどうか」の審査が行われます。 審査が終わると、強制送還か在留特別許可かが決定されます。
この一連の手続のうち2や3の段階で「収容令書」というものが発付されます。入管が出す逮捕状のようなものです。収容令書が発付されてしまうと,入管の施設に収容されてしまうことになります。
ここで重要なのが、「仮放免」という手続きです。 仮放免は、強制送還の対象となって収容されてしまった人が、一定の条件下で一時的に釈放されるという手続きです。 保証金を支払うことで、一時的に釈放される場合があります。 この仮放免によって、強制送還の手続き中であっても一時的な身体拘束から解放され、更なる手続きで在留資格を取得するチャンスが生まれます。
弁護士に相談することのメリット
強制送還の手続きは複雑であり、専門的な知識が必要です。 そのため、弁護士に相談することには以下のようなメリットがあります。
- 専門的なアドバイス: 弁護士は入管法に精通しているため、最適な対応策を提案できます。
- 手続きの迅速化: 弁護士が介入することで、必要な書類の作成や手続きがスムーズに行えます。
- 心のサポート: 強制送還は精神的にも負担が大きい。弁護士が法的な手続きをサポートすることで、心の負担を軽減できます。
- 仮放免の可能性: 弁護士は仮放免の手続きにも精通しており、その適用可能性や必要な手続きについて具体的なアドバイスが得られます。
弁護士に相談することで、強制送還のリスクを最小限に抑え、最良の結果を得る可能性が高まります。
仮放免の手続きについて
仮放免は、入管に一時的に収容されても、釈放が認められる特例措置です。 この手続きは、特に長期滞在者や家庭を持つ人にとって、重要な手続となります。 以下に、仮放免の手続きについて詳しく説明します。
- 申請タイミング: 入管の施設に収容されることが決まった後、速やかに申請することが一般的です。
- 必要書類: 申請には、身分証明書、在留カード、身元保証人の書類や家庭状況を証明する書類(例:結婚証明書)などが必要です。
- 保証金: 仮放免を受けるためには、一定額の保証金が必要です。最高額は300万円で、低ければ10万円程度で足りることもあります。この金額はケースバイケースで異なります。
- 審査内容: 入管法違反の重さ、家庭状況、滞在歴などが審査されます。これらの要素がポジティブであれば、仮放免の可能性が高まります。
- 仮放免期間: 仮放免が認められた場合、その期間は1か月から2か月程度です。仮放免の期間は更新することができ,期間満了前に入管の窓口へ出頭して更新のスタンプをもらうことになります。
仮放免の手続きは複雑であり、弁護士のアドバイスが非常に有用です。 適切な申請と審査を経て、仮放免が認められれば、強制送還を避ける大きな一歩となります。
まとめ
この記事では、日本に滞在している外国人が強制送還の対象となる可能性、そしてそのような状況を避けるための「仮放免」について詳しく解説しました。
強制送還は、その名の通り「強制的な送還」を意味し、多くのケースで家庭や仕事、人生に大きな影響を与えます。 しかし、仮放免という手続きを利用することで、一時的にでもそのリスクを回避し、新たな在留資格を取得するチャンスが生まれます。
強制送還や仮放免に関する手続きは非常に複雑で、専門的な知識が必要です。 そのため、弁護士に相談することで、最適な対応策を見つけ、手続きをスムーズに進めることが可能です。
最後に、強制送還の危機に直面した場合、総合的な対応が求められます。 長期間の滞在や家庭状況なども考慮されるため、一人で悩まず、専門家のアドバイスを求めることが重要です。
退去強制事由についての解説
「退去強制事由」について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が紹介します。
退去強制手続とは、外国人が日本国内で法的に許可された在留資格や期間を超えて不法滞在する、または他の法律違反を犯した場合に、その外国人を日本から退去させるための手続きのことをいいます。
また退去強制事由とは、外国人が入国や在留に際して日本の法律や規定に違反した場合に、彼らを日本から退去させることができる理由や事情のことをいいます。
「出入国管理及び難民認定法」の第24条に退去強制事由についての記載があります。
条文では、一号から十号までの事由が列挙されていますが、ここでは代表的なものを以下にてご説明いたします。
① 不法入国者
有効なパスポートなどを持たずに日本に入国した人が該当します。
また、外国人が他人のパスポートを使って入国した場合や偽造パスポートによる入国も不法入国に該当します。
② 不法上陸者
手段や方法は問わずに、上陸の許可などを受けることなく日本に上陸した人が該当します。
不法上陸者には、2つのパターンがあり、1つ目は上陸許可の証印や記録を受けないで日本に上陸した者、二つ目は寄港地上陸や通過上陸などの特例上陸許可を受けなければならない状況であるにも関わらず、これを受けないで入国した者となっています。
③ 偽造・変造文書を作成・提供した人
不正に上陸や在留するために、組織的・専門的に偽物のパスポートや書類を作成したり提供した人を指し、外国人ブローカーなどを日本から退去強制することが目的とされています。
なお、偽造文書の作成や提供だけでなく、それを幇助した者も含まれます。
④ 資格外活動者
「収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動」などを行い、在留資格で定められた活動以外のことを行なっている人をいいます。
外国人留学生が学校に通うことなく本格的に就労している場合や就労のための在留資格を持つ人が許可を得ることなく、他に深夜にアルバイトをしている場合などには資格外活動に該当することがあります。
⑤ 不法残留者(オーバーステイ)
在留期間の更新又は変更を受けずに、日本に滞在することを許された期間をすぎて滞在している人が該当します。
親族訪問の目的で「短期滞在」で入国後にそのまま在留期限が経過してしまった場合などが代表的な例です。
⑥ 刑罰法令の違反者
住居を犯す罪、通貨偽造の罪、文書偽造の罪、有価証券の偽造の罪、支払い用カードの電磁的記録に関する罪、印象偽造の罪、賭博及び富くじに関する罪、殺人の罪、傷害の罪、逮捕及び監禁の罪、脅迫の罪、略取、誘拐及び人身売買の罪窃盗及び強盗の罪、詐欺及び恐喝の罪、盗品等に関する罪などにより懲役または禁錮に処せられたものが該当します。
⑦ 売春関係業務の従事者
売春関係の業務に従事したという事実があれば該当し、売春防止法などに違反して刑に処せられたかどうかは要件とされませんので、注意が必要です。
⑧ 退去命令違反者
退去命令を受けたにも関わらず日本から退去しない者であり、出向命令制度などにより既に退去命令が出ているにも関わらずそのまま日本から退去しない場合などが該当します。
上記のように、一言で「退去強制事由」といっても、数多くの「退去強制事由」が存在します。
特に、上記⑥については、どれくらいの刑罰を受けることになるのかによっても、「退去強制事由」に該当するか否かが変わりますので、「退去強制事由」でお困りの方はお気軽にお問い合わせください。
企業内転勤ビザの更新手続き:必要なステップと注意点
企業内転勤ビザは、多くの外国人が日本で働くために必要な在留資格の一つです。
しかし、このビザの有効期限が切れると、不法滞在となり厳しい罰則が科される可能性があります。この記事では、企業内転勤ビザの更新手続きについて詳しく解説します。
1. 企業内転勤ビザとは?
企業内転勤ビザは、特定の企業に所属する外国人が日本で働くために必要な在留資格です。
企業内転勤ビザ(Intra-Company Transferee Visa)は、外国の企業が日本に子会社や関連会社を持っている場合、その企業の外国人従業員が日本で一定期間働くために必要な在留資格です。
このビザの特徴として、日本での労働内容は、外国の母体企業での業務と基本的に同じでなければならないという点があります。 企業内転勤ビザの有効期間は3か月から5年の幅がありますが,通常1年または3年とされることが多いでしょう。この期間が終了する前に更新手続きを行う必要があります。
企業内転勤ビザを取得する際の基本的な条件として、申請者が外国の母体企業で一定期間(通常は1年以上)働いている必要があります。 さらに、日本での業務内容、給与、労働条件なども審査の対象となります。
このビザのメリットとしては、日本での労働が比較的スムーズに始められる点、注意すべき点としては、業務内容が「技術・人文知識・国際業務」のものに制限される点が挙げられます。
このビザは、日本国内での業務遂行を円滑にするために発行されます。 しかし、このビザには有効期限があり、期限が切れると不法滞在となります。 そのため、更新手続きは非常に重要です。
2. 更新手続きのタイミングと流れ
企業内転勤ビザの更新手続きは、有効期限が切れる前に行う必要があります。 一般的に、ビザの有効期限が切れる3ヶ月前から手続きを始めることが推奨されます。
以下は、更新手続きのタイミングと流れについての詳細です。
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3ヶ月前: まず、ビザの有効期限が切れる3ヶ月前に、必要な書類のリストを作成します。この段階で、書類の内容を確認し、不足しているものがあれば、それを揃える時間が確保できます。
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2ヶ月前: この時点で、すべての書類が揃っているか再確認します。また、必要な場合は、弁護士や専門家に相談して、書類の内容を確認してもらいます。
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1ヶ月前: 書類が整ったら、入国管理局に提出するためのアポイントメントを取ります。多くの場合、オンラインで予約が可能です。
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数週間前: アポイントメントの日に、必要な書類を持って入国管理局に行き、更新申請を行います。指定された窓口で書類を提出します。
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申請後: 申請が承認されると、新しい在留カードが発行されます。このカードを受け取るためには、再度入国管理局に行く必要があります。
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有効期限当日: 最後に、新しい在留カードを確実に受け取って、古いカードを返却します。更新が許可された場合には,窓口で手数料(4,000円)を支払います
このように、更新手続きは複数のステップに分かれており、それぞれのステップでしっかりと準備と確認が必要です。 特に、書類が不足していると、更新が拒否される可能性もありますので、注意が必要です。
3. 必要な書類と手続きの流れ
企業内転勤ビザの更新手続きには、いくつかの重要な書類と手続きが必要です。 以下に、その主要なポイントを詳しく説明します。
必要書類
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在留カード: 最も基本的な書類であり、必ず提出する必要があります。
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雇用契約書: 日本の企業との雇用契約書や、外国の母体企業との契約書のコピー。
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給与明細: 最近3ヶ月分の給与明細を用意します。
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納税証明書: 所得税の証明書や、住民税の証明,年金の支払いに関する証明も必要です。
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在職証明書: 企業からの在職証明書が必要とされる場合もあります。
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申請書: 入国管理局からダウンロードできる、ビザ更新の申請書を記入します。
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パスポート: 有効なパスポートも提出が必要です。
手続きの流れ
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書類の準備: 上記の書類を全て揃えます。
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書類の確認: 不備がないか、専門家や弁護士に確認してもらった方が良いでしょう。
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申請書の記入: 必要な情報を正確に記入します。
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入国管理局での申請: 予約した日時に、必要な書類を持って入国管理局に行きます。
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申請料の支払い: 申請が認められたら窓口で手数料(4,000円)を支払います。
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在留カードの受取:、新しい在留カードを受け取ります。
このように、書類の準備から申請、そして新しい在留カードの受取まで、一連の流れがあります。 各ステップで注意深く行動することで、スムーズな更新が可能です。
4. オンラインでの更新手続き
近年、オンラインでのビザ更新手続きが可能なケースも増えています。 このセクションでは、オンラインでの手続きのメリットと注意点について詳しく説明します。
オンライン申請によるメリット
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時間節約: 入国管理局に物理的に足を運ぶ必要がないため、時間を節約できます。
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手続きの簡素化: オンラインでの手続きは、通常、書類のアップロードといった簡単なステップで完了します。
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24/7 アクセス: オンラインであれば、時間や場所に縛られずに申請が可能です。
オンライン申請の注意点
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技術的な問題: インターネット接続の不具合やウェブサイトのトラブルが発生する可能性があります。
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セキュリティ: 個人情報をオンラインで取り扱うため、セキュリティ対策が必要です。
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書類の確認: オンラインでの申請では、書類の確認が厳しくなる場合があります。そのため、書類は事前にしっかりと確認しておく必要があります。
オンライン手続き利用については,入管当局のHP等をご覧ください。
5. 有効期限が切れた場合の対処法
ビザの有効期限が切れてしまった場合、それは非常に深刻な問題になります。ビザが切れた状態で在留していることは不法残留,オーバーステイと呼ばれ,罰則が科されたり,強制送還されたりしてしまいます。
有効期限が切れた場合の緊急の対処について詳しく説明します。
即時対応が必要
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入国管理局への連絡: まず最初に、できるだけ早く最寄りの入国管理局に連絡を取ります。
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弁護士の相談: 法的な問題が発生する可能性が高いため、速やかに入管法に詳しい弁護士に相談することが推奨されます。手続の状況によっては,更新の申請が間にあったり,在留特別許可が目指せるという場合もあります。
とはいえ,やはり不法残留の状態となってしまわないようにするのがベストです。
日本に在留している以上,常に在留期限は気にしておく必要があります。
外国人を雇用している雇用主としても,従業員の在留期限については気を配っておかなければなりません。外国人本人が不法残留となってしまうだけではなく,雇用主も「不法就労助長罪」として処罰の対象となってしまうおそれがあります。
6. まとめと今後の注意点
ビザの更新手続きは、多くの外国人が日本で生活する上で避けては通れない重要なプロセスです。 この記事では、更新手続きのタイミング、必要な書類、費用、オンラインでの手続き、そして有効期限が切れた場合の対処法について詳しく説明しました。
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早めの準備: 更新手続きは時間がかかる場合がありますので、早めに準備を始めることが重要です。
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書類の確認: 必要な書類はしっかりと確認し、不備がないように注意が必要です。
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法的な相談: 不明点や問題が発生した場合は、専門家や弁護士に相談することが推奨されます。
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有効期限の確認: ビザの有効期限は常に確認し、リマインダーを設定するなどして忘れないようにしましょう。
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オンライン手続きの活用: 可能であれば、オンラインでの手続きを活用して、手間と時間を節約することが有用です。
以上が企業内転勤ビザの更新手続きについての全体的なガイドとなります。 この情報が皆さんのビザ更新手続きをスムーズに進める助けとなれば幸いです。 何か質問やフィードバックがありましたら、お知らせください。
入管に収容されたらどうなる?仮放免とは何か?
「仮放免」について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が紹介します。
「仮放免」とは、収容されている外国人について、請求により又は職権で一時的に収容を停止して、一定の条件を付して身柄の拘束を仮に解く制度のことです。
収容令書による収容期間は「30日(やむを得ない事由がある場合は、30日を限り延長可能)」、退去強制令書による収容は「送還可能のときまで」と定められていますが、被収容者の健康上の理由や出国準備等のために身柄を解放する必要が生じることもあるため、そのような場合に対応するために設けられたものが「仮放免」です。
(1)仮放免の請求について
・仮放免の請求人
被収容者本人又はその代理人、保佐人、配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹と定められています。
・仮放免の請求先
被収容者が入国者収容所に収容されている場合は当該入国者収容所長に、また地方出入国在留管理局の収容場に収容されている場合は当該収容場を所管する地方出入国在留管理局の主任審査官に対して請求することになります。
仮放免の請求に際しては、仮放免が許可された場合に仮放免中の身元引き受け及び法令の遵守等の指導を確実に行う身元保証人を決めていただく必要があります。
・提出書類
①仮放免許可申請書
②身元保証書
③誓約書(誓約書は、収容されている外国人と身元保証人になろうとする方の2通が必要となります。)
なお、仮放免の申請について、手数料はかかりません(ただし、仮放免の許可に際しては、保証金の納付が必要となります。)。
(2)放免の許可について
請求人から仮放免の請求があった場合、被収容者の情状及び仮放免の請求の理由となる証拠等を総合的に考慮して、300万円以下の保証金を納付させて、かつ住居及び行動範囲の制限、呼出しに対する出頭の義務その他必要と認める条件を付して、その者を仮放免することができると定められています。
なお、この保証金については、入国者収容所長又は主任審査官が適当と認めたときに限り、被収容者以外の者が差し出した保証書をもって保証金に代えることができますが、保証書には保証金額及びいつでもその保証金を納付する旨を記載しなければなりません。
(3)仮放免の取消しについて
仮放免許可を受けた外国人が、(1)逃亡した場合や、(2)逃亡すると疑うに足りる相当の理由がある場合、(3)正当な理由がないのに呼出しに応しない場合、(4)その他仮放免に付された条件に違反した場合は、仮放免を取り消すことができると定められています。
(4)保証金の没取について
仮放免が取り消されたときは、保証金が没取されます。
この没取には全部没取と一部没取があり、取消しの理由が、前記取消事由の(1)及び(3)の場合は保証金の全額、その他の理由による取消しの場合は保証金の一部が没取され、一部没取の場合における金額は、事情に応じて決定されることになります。
なお、退去強制令書により収容されていた者が仮放免中に自費出国する場合又は仮放免の許可に期限が付されている場合であって、期間満了により再度収容されたときは、仮放免の取消しではないので保証金は全額還付されます。
収容されている外国人の配偶者や直系の親族、兄弟姉妹の方で、「仮放免」についてお困りの方はお気軽にお問い合わせください。
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