難民認定とは何か,どのような手続きを取ればよいか

難民認定のための手続はどのようなものか

概要

日本は1981年に難民条約に加入しました。それに伴い国内で実施するため、1982年に難民認定制度が整備されました。

この制度により難民である外国人は難民申請を行い法務大臣から難民であるという認定を受けることができ、また難民条約に規定する難民としての保護を受けることができるようになりました。

ここでの「難民」とは、人種、宗教、国籍、特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見を理由として迫害を受ける恐れがあるという十分に理由のある恐怖を有するために国籍国の保護を受けることができないか又はそれを望まない者とされています。

難民認定手続きとは、外国人がこの難民の地位に該当するかどうかを審査し決定する手続です。

申請者、申請場所、申請の方法

難民認定申請は、申請者の住所又は現在地を管轄する地方入国管理局、支局及び出張所で行うことが出来ます。原則として申請者本人が申請します。

ただし、申請者が16歳未満である場合や病気その他の理由のより自ら出頭できない場合は、父母、配偶者、子、又は親族がその者に代わって申請を行うことが出来ます。

難民の認定は、申請者から提出された資料に基づいて行われ、申請者は難民であることを自ら集めた証拠又は関係者の証言をもとに立証する必要があります。

難民認定申請をしてから難民認定申請の結果(一次審査)がでるまで、「特定活動」の在留資格が認められます。申請から一次審査の結果がでるまで令和3年度は約32.2か月かかりました。令和3年度の難民認定処理数は6,150件、そのうち難民認定した者は65件、不認定は4,196件、申請取下げが1,889件でした。

一次審査の結果、難民認定申請が不認定となった又は難民の認定が取り消された外国人は、法務大臣に対して不服申立てをすることが出来ます。

不服申立てができる期間は、難民の認定をしない旨の通知又は難民の認定を取り消した旨の通知を受けた日から7日以内となっています。ただし、天災その他やむを得ない理由があるときは、7日経過後であっても不服申立てをすることができます。

不服申立ては、難民認定申請の場合と同様、不服申立て人の住所又は現在地を管轄する地方入国管理局、支局及び出張所で行うことができます。

令和3年度、不服申立て処理件数は7,411件、その内申立てに理由ありが9件、理由なしが6,732件、申立て取下げが670件となっています。

令和3年度、難民認定申請と不服申立てを合わせた処理件数は13,561件、そのうち難民認定されたのは74件、1年間の処理数から認定者数で割りだした難民認定率は0.5%でした。

難民申請後の在留変更について

現在の日本では、難民申請の認定率がここ10年1%以下で推移しています。

アメリカ、イギリス、フランス、カナダ、ドイツ等と比べて極端に低くなっています。

日本では、200人~300人に1人の例外を除いた難民申請者のほぼ全員が、いずれは本国への帰国を迫られることになります。

しかしながら日本で難民申請する方の多くは、簡単に本国に帰れない事情があり、日本に在留しなくてはならない事情があります。

現在の日本では、難民認定申請手続で在留資格を取得するのはほぼ不可能となっています。

こうした状況の中で日本に残る選択肢として、難民申請中の方でどうしても日本に残らなければならない事情のある方は、難民申請中の「特定活動」から他の在留資格変更申請を考えてみるのはどうでしょうか?手続上、難民申請の「特定活動」の在留期間内であれば、

他の在留資格の変更手続が可能です。この場合、通常の在留資格変更手続よりは厳しい審査になることは予測されますが、それでも日本に在留できる可能性は、難民認定申請の結果よりも高くなるのは間違いありません。 

(参考文献:入管HP)

 

難民認定申請「特定活動」の在留資格についてご心配やお困りごとのあるという方は、

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