「公用」在留資格の全解説:誰が該当するのか

在留資格「公用」について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が紹介します。

この「公用」の在留資格に該当する活動としては、日本国政府の承認した外国政府若しくは国際機関の公務に従事する者又はその者と同一の世帯に属する家族の構成員としての活動をいい、具体的には以下のような場合が該当します。

①日本国政府が承認した外国政府の外交使節団の事務及び技術職員並びに役務職員

この「事務及び技術職員」とは、使節団の事務的業務又は技術的業務のために雇用されているもので、電信・通訳・会計・文書・庶務などの業務に従事する者を意味します。

また「役務職員」とは、使節団の役務のために雇用されているもので、守衛・運転手・調理・清掃などの業務に従事する者を意味します。

さらに、本国政府から派遣された者ではない外交使節団の構成員も該当します。

②日本国政府が承認した領事機関の事務及び技術職員並びに役務職員

③日本に本部の置かれている国際機関の職員

この「国際機関」とは、国連及その専門機関並びに日本の加盟している国際条約に基づく機構の執行機関を意味します。

④日本国政府が承認した外国政府又は国際機関の日本にある出先機関に公の用務のため駐在する当該外国政府又は当該国際機関の職員(上記①~③までに該当する者を除く。)

たとえば、外国の大使館等に付属する文化センターに派遣される職員や学校に派遣される教職員などの外国政府又は国際機関の公務のために駐在する者を意味します。

⑤本国政府との公の用務のため日本国政府が承認した外国政府又は国際機関から派遣される者(上記①~④までに該当する者を除く。)

たとえば、外国政府の公務員や国際機関の職員の出張者などを意味します。

⑥日本国政府又は日本国政府が承認した国際機関が主催する会議等に参加する者
(外交の在留資格に該当する者及び上記①~⑤までに該当する者を除く。)

⑦上記①~⑥に該当する者と同一の世帯に属する家族の構成員

「公用」の在留期間は、5年、3年、1年、3月、30日又は15日です。

1.「日本国政府の承認した外国政府」について

この要件については、外交政府であっても日本国が承認したものに限定する趣旨です。

したがって、未承認国や未承認の政府の用務で入国する外国人は、この「公用」の在留資格に該当しません。

2.「公務」について

この要件については、外国政府又は国際機関にとっての用務のことを意味するのであり、日本政府にとっての用務である必要はありません。

どのようなものが公務に該当するか否かについては、外国政府の発給する旅券の種類や当該外国政府の職員の一方的な意思によって決定されるものではなく、社会通念上「公の職務」に属するものと認められるものでなければなりません。

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