起業するために来日できる?

外国人の方が「日本で新しくビジネスを始めたい!」と考えた時は,どのような手続きをとればいいのでしょうか。

または,「外国人の知人を日本に呼んで一緒に会社を立ち上げたい!」と計画したときはどうでしょうか。

会社を新しく立ち上げたり事業を始めたりする際に,外国人の方が採るべき手続や注意点について解説します。

新しく事業を起こすときには「経営・管理」の在留資格

外国人の方が日本に滞在するためには,在留資格が認められなければなりません。

新しく事業や会社を興したいという外国人の方は,「経営・管理」の在留資格を取得することが考えられます。「経営・管理」の在留資格は,日本で会社や事業を経営する場合や,事業の管理業務をする場合に認められる在留資格です。新しく事業や会社を興す場合には,「経営・管理」のうち経営の活動に該当すると考えられます。

「経営・管理」の在留資格については,こちらでも解説しています。

経営・管理の在留資格取得手続

日本の国外にいる外国人の方を事業のために呼び寄せたい,という場合には,「経営・管理」の在留資格認定証明書を取得するための手続を進めましょう。

一方,日本国内にいる外国人の方と一緒に事業を始めたい,という場合には,「経営・管理」への在留資格変更手続きを進めましょう。

既に「経営・管理」の在留資格で日本に滞在している方が,新しく事業を立ち上げようとする場合,資格外活動(資格外活動についての詳細はこちら)にならない限り,手続は不要です。次の在留資格の更新の手続の際に,新たに始めた事業に関する書類も併せて提出しておきましょう。

 

会社の設立前でも「経営・管理」で入国できる?

会社の設立や事業の開始前の,いわば「開業準備」状態であっても,「経営・管理」の在留資格が認定されることがあります。

本来,「経営・管理」の在留資格認定証明書の取得に当たっては,起業した会社の登記事項証明書等の書類等が必要になります。これらの書類は,会社の立ち上げが終わった「後」でなければ取得できず,「開業準備」段階では手に入らないものでした。

ですが,会社を設立する準備をする意思があることや,会社の設立がほぼ確実に見込まれるという場合には,4か月の在留期間として,「経営・管理」の在留資格が認められるようになりました。

これは,会社の代表者が日本に居なくても,日本国内で会社の設立を認めるという規制緩和と併せて認められるようになったものです(参照:平成26年規制改革実施計画)。

具体的には,日本国内での事業計画書が作成されていることや,事業所となる物件の賃貸借契約書などを提出して,会社を設立する準備をする意思があることを示します。

会社の設立前に在留資格を持って来日することによって,日本国内での準備を進めることが出来ます。4か月の在留期間の期限が近付いたら,忘れず在留期間更新申請をしましょう。

 

共同で事業を興すときに注意すべき点

日本で事業を始めるに当たって,友人,知人と一緒になって事業を興す方もいるでしょうし,何人かで一緒に「経営・管理」の在留資格で来日したいという方もいるでしょう。

何人かで出資を募り会社を設立した場合や,何人かで共同経営者となった場合には,注意しなければならない点があります。

それは,「出資者」や「共同経営者」になったからと言って,必ずしも「経営・管理」の在留資格が認められるわけではないということです。

経営・管理の在留資格取得手続で解説した通り,事業の経営者,管理者と言えるかどうかは,実際に行う業務の内容によって判断されるためです。

「取締役になったけれども実際にはお茶出しや簡単な事務仕事しかしてない」という場合には,「経営」の在留資格が認められない可能性が高いですし,小規模の事業なのに従業員の取締役になって「経営」の在留資格を申請したという場合には,人によっては「経営」の在留資格が認められない可能性があります。

事業の経営者や管理者が複数人いる場合,「一人一人が経営者,管理者として職務を行う必要があるか,他の役職との区別はついているのか,名ばかりの役職ではないか」という点が審査で重要なポイントになります。

もしも共同経営者や共同出資者に「経営・管理」の在留資格が認められなかった,というときには,別の在留資格も検討するのが良いでしょう。

 

家族ビザも認められる

「経営・管理」の在留資格が認められた外国人の方であれば,その家族についても「家族滞在」の在留資格(家族ビザ)が認められる可能性があります。もちろん,会社を興す準備のための来日の時に,一緒に家族ビザを申請することもできます。

家族ビザが認められる範囲は,配偶者と子供(連れ子も含む)になり,親については認められていません。

また,日本で結婚や養子縁組をする必要はありませんが,現行の日本法では,同性婚の場合には家族ビザが認められていません。

 

まとめ

政府の規制緩和を受けて,日本での起業のために来日する外国人の方も増加しつつあります。

外国人と共同経営のスタイルをとる日本人の方もいらっしゃると思います。

事業のための来日の手続や,日本への招へいの手続で躓くことがないように,分からない点や不安な点は事前に専門家に相談しておいた方が良いでしょう。

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