在留資格(ビザ)の手続の中には「手数料」が必要になるものがあることをご存知でしょうか。
この「手数料」とは,弁護士や行政書士を頼む費用のことではなく,申請者が直接入管の窓口で払うことになるものです。
在留資格(ビザ)のうち,どの手続には手数料がかかるのか,いくらなのか,手数料が返してもらえることがあるのかについて解説します。
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手数料がかかるもの/かからないもの
在留資格の手続のうち,手数料が必要になる主なものは次のとおりです。
・就労資格証明書の発行 1件当たり1200円
・在留資格の変更の許可 1件当たり4000円
・在留期間の延長の許可 1件当たり4000円
・永住の許可 1件当たり8000円
・再入国の許可 1件当たり3000円
・数次回の再入国の許可 1件当たり6000円
・在留カード(特別永住者証明書)の交換 1件当たり1600円
※破損した場合や汚れた場合,紛失してしまった場合の再発行は手数料なし。
その他の手続,例えば,
・在留資格認定証明書の交付
・資格外活動許可
・仮放免許可
・住所地の変更
等の場合には手数料はかかりません。
基本的に,入国の審査の時点では手数料がかかるものはありませんが,日本国内で生活している中で,入国時から事情が変わった場合にする手続きで手数料が必要となるものが多いように見受けられます。
これらの手数料は,それぞれの申請に対して「許可が出た時」に納めることになります。
そのため,申請の時点では手数料を払う必要はなく,実際に在留資格の変更の許可や,在留期間の更新の許可が得られた段階で,入管の窓口で納めます。
それぞれの申請で許可がもらえた後に手数料を払わないでいると,許可が取り消されて不許可になることがあるため気を付けましょう。
手数料を返してもらえる時もある?
入管の窓口で手数料を払うのは,「申請に対して許可がもらえた時」になります。
そのため,各種申請手数料を返してもらうという状況は,あまり発生しません。
手数料を返してもらう状況とは,「一度許可出た後にその許可が取り消された場合」になります。
例えば,在留資格の変更が許可された後で,実は申請の時に提出した書類が嘘のものだったという場合があり得ます。
このように申請の時の書類が偽造されたものだった場合や,申請の内容に嘘があった場合には,許可処分が取り消されることがあります。
許可処分が取り消された時に手数料が返してもらえるのかどうかについて,法律上の定めはありません。
入管は,許可が取り消された場合であっても「手数料を返さないことがある」としています。
許可処分の結果として,実際に日本に在留した事実があった場合や,許可が取り消されたことによって退去強制(強制送還のこと)される場合には,手数料を返却しないとしています。
申請の時に提出した書類が嘘のものだったという場合には,直ちに退去強制の対象とならない場合もありますが,変更が許可された在留資格によって日本に滞在していた場合には手数料は返還されないことになります。
手数料は変わる?
各種の手続きにかかる手数料は,入管法施行令という,法令によって定められています。
そのため,法令が変わったタイミングで,手数料額も変わることがあります。
最近では,就労資格証明書の発行のための手数料が「1件当たり900円」だったのが,「1件当たり1200円」に変わりました。
食品や日用雑貨と違って,物価や経済状況に左右されるものではなく,手数料が変わることはあまり多くありませんが,常に最新の情報は確認しておきましょう。
入管の手続きのご相談もこちらから承っています。