窃盗罪で強制送還されるのか?定住者ビザでの事例解説

退去強制手続きは、外国人が日本での在留資格を失う恐れのある重要な手続きです。

この記事では、「定住者」の在留資格を持つAさんの事例を通して、退去強制手続きのプロセスと法律的な側面を詳しく解説します。

事例紹介: 「定住者」在留資格のAさんのケース

Aさんは、40歳の中国国籍で、定住者ビザで日本に在住していました。彼は、長年、東京都内の企業で働いていましたが、コロナ禍でのリストラにより職を失いました。

あるとき、経済的な困窮から窃盗罪に手を染めることになります。彼は、都内のデパートで高級ブランドのバッグを盗み、窃盗罪によって逮捕されました。

この事件は、彼の友人や家族に衝撃を与え、彼の在留資格に重大な影響を及ぼす可能性がありました。彼は、窃盗をした理由として、家族を養うための経済的な困窮を挙げました。

裁判では、Aさんの家庭状況や反省の態度が考慮されて、執行猶予付きの有罪判決が下されてしまいました。Aさんは今後,自分の在留資格がどうなってしまうのか不安に思い,弁護士に相談することにしました。

Aさんはこれからどうなるのか?(退去強制されるのか)

退去強制手続きは、以下のような場合に発生します。

  1. 一定の入管法によって処罰された場合
  2. 一定の旅券法に違反して懲役、禁錮刑に処せられた場合(資格外活動の場合、罰金だけでもアウト!)
  3. 麻薬取締法、覚醒剤取締法、大麻取締法などの薬物事件で有罪判決を受けた場合
  4. 一定の刑法犯で懲役、禁錮刑に処せられた場合(執行猶予がついてもアウト!)
  5. どの法律違反であっても、「1年を超える実刑判決」を受けた場合

Aさんの場合、窃盗罪に該当し、上記の「一定の刑法犯」に含まれています。

しかし、「定住者」の在留資格であれば入管法の別表2ですから、執行猶予付きの有罪判決を受けたとしても強制送還にはなりません。

ただし,定住者のビザは在留期間の定めのある在留資格です。定住者の方の多くは,1年,3年の在留資格をお持ちでしょう。そうなると,長く日本で滞在するためには延長の申請をしなければなりません。

Aさんのように,日本で有罪判決を受けてしまった場合には,その次の在留期間の延長申請が「不許可」となってしまうことがあります。

延長申請が認められるかどうかは,

  • 在留資格の活動目的に沿った滞在を続けているか
  • 在留期間中の素行は善良か

と言った点が判断材料になります。

日本で窃盗罪によって有罪判決を受けてしまったということは,「素行が悪い」と判断される材料でもあるのです。

弁護士へ相談

退去強制手続きは複雑で、個々のケースに応じた専門的な対応が必要です。弁護士への早期相談が、在留資格の保持や強制送還の回避につながることが多いです。

まとめ

退去強制手続きは、外国人の在留資格に直接関わる重要な問題です。Aさんの事例を通じて、法律的な側面と対応策を解説しました。このような状況に直面した場合、専門家への相談が重要であることを強調します。

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