短期滞在ビザ

1 短期滞在の在留資格とは

短期滞在の在留資格とは,外国人の方が短期間,日本に滞在するために認められる在留資格です。日本に入国する外国人の方の約98%がこの短期滞在の在留資格で上陸されています。

日本で継続的に生活することを目的としない場合にのみ認められる在留資格ですので,他の在留資格と比べて特に期間が短くなっています。短期滞在の在留資格として認められる期間は最も長くて90日で,30日,15日以内というものもあります。

短期滞在の在留資格は,日本での活動を特定する必要はありません。例えば,出張,観光,家族の訪問,療養,スポーツといった幅広い目的で認められます。「なんとなく日本に来たかった」という場合であっても構いません。また,短期滞在中に,滞在の目的が変わっても構いません。

ただし,短期滞在の在留資格は日本に定着しないことを前提とするため,日本で働く場合には在留資格が認められません。また,犯罪行為等の不法な活動を行うことを目的とする場合も,当然在留資格は認められません。

短期滞在は一時的な在留を認めるものですので,原則として期間の延長は認められていません。特別な事情,例えば,旅行中にケガや病気で入院が必要になった場合などでなければ延長は認められにくくなっています。

また,「やむを得ない特別の事情」がなければ途中で他の在留資格に変更することはできません。例えば日本に滞在中に日本人と結婚して「日本人の配偶者等」に変更する場合があります。

短期滞在の間に日本の企業に就職が決まったという場合には,一度日本を出国してから改めて就労ビザを取得するか,日本にいる間に「在留資格取得証明書」という証明書を取得することによって,在留資格を変更して日本で働くことが出来ます。

短期滞在の在留資格について不安や心配なことがある方は弁護士などの専門家に相談しましょう。

 

2 短期滞在の在留資格が認められるための手続

短期滞在の在留資格で日本に入国する場合,通常は外国の日本領事館に申請をして,査証(ビザ)を発給してもらい,日本で上陸審査を受けることになります。

ただし,査証免除協定といって,一部の国から日本に入国する場合にビザが不要になっている国があります。アメリカ,カナダ,イギリス,フランス等68の国と地域があります(令和2年4月現在)。ビザが不要となっている国の一覧は外務省のホームページでも確認できます。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/visa/tanki/novisa.html

上陸審査の時には,日本に往復するための航空券があること,パスポートが有効であること(ビザがあれば証明できます),日本に滞在中に必要な費用(宿泊施設の予約や帰りの航空券などを示せば足りるでしょう)があることの書類を提出し,それらが審査されます。

 

3 短期滞在の在留資格を活用する場合とは

短期滞在の在留資格は,特に目的のない在留であっても幅広く認められる在留資格ですが,一方で有効な期間が短いという点があります。

他の在留資格から短期滞在の在留資格へ変更するという場合として,次のような場合があり得ます。

 

・出国準備のために短期滞在に変更する

在留資格が切れるギリギリになって母国に帰国する準備が整っていなかったり,航空券の手配が出来なかったりした場合など,日本に留まるつもりはないけれども少しだけ在留の期間を延長しなければならないときに,短期滞在の在留資格へ変更することがあります。

元の在留資格を延長するのも手段の一つですが,出国することを前提とした在留資格の延長は認められない場合もあるからです。

 

・在留資格を変更する場合の繋ぎとして短期滞在に変更する

在留資格を別のものへ変更する時,手続や審査のために時間がかかるため一時的に短期滞在の在留資格へ変更することも考えられます。例えば日本人と結婚して在留資格を変更するつもりだったが在留資格の期限がぎりぎりになってしまい結婚の手続に間に合わない場合などがあります。在留資格の期限を過ぎて日本に在留していると,不法滞在(オーバーステイ)になってしまい,強制送還の対象になってしまうことがあるからです。

ただし,短期滞在の在留資格から別の在留資格へ変更する場合には「やむを得ない特別な事情」がなければ認められないことになります。一時的に短期滞在に変更した方が良いのか,元の在留資格を一度延長した方が良いのか,それとも一度帰国した上で再入国を試みるのか,個々の置かれた状況に応じてどのような手段を取るのかを検討しなければなりません。在留資格の延長を申請するか,変更を申請するか,判断が難しい場合がありますので,早めに弁護士などの専門家と相談するのが良いでしょう。

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