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在留資格「経営・管理」とはなにか,審査のポイントは
在留資格「経営・管理」について、あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
「経営・管理」は、いわゆる「就労ビザ」の一種であり、事業の経営・管理業務に外国人が従事できるように設けられました。
1.ビザの該当範囲
入管法別表第1の2の表の「経営・管理」の項の下欄では、本邦において行うことができる活動を以下のように規定しています。
本邦において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動(この表の法律・会計業務の項の下欄に掲げる資格を有しなければ法律を行うことができないこととされている事業の経営又は管理に従事する活動を除く。)
「貿易」は例示であり、我が国において適法に行われる業務であれば、その活動に制限はありません。ただし事業の安定性・継続性が認められる必要性があります。
経営・管理の在留資格の決定において、個人事業と法人事業の区別はありません。
2.経営・管理の在留資格が認められる活動のパターン
ア 本邦において事業の経営を開始してその経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動
イ 本邦においてすでに営まれている事業に参画してその経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動
ウ 本邦において事業の経営を行っている者(法人を含む。)に代わってその経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動
「本邦において貿易その他の事業の経営を行い」とは、①本邦において活動の基盤となる事務所を開設し、貿易その他の事業の経営を開始して経営を行うこと、②本邦において既に営まれている貿易その他の事業の経営に参画すること③本邦において貿易その他の事業の経営を開始した者若しくは本邦におけるこれらの事業の経営を行っている者に代わってその経営を行うことをいいます。(審査要領)
3.「経営・管理」 審査基準
「経営・管理」の在留資格を取得するための審査の基準は,次の2つです。
第1号 事業を営むための事業所が本邦に存在すること。ただし、当該事業が開始されていない場合にあっては、当該事業を営むための事業として使用する施設が本邦に確保されていること。
この審査基準は、事業所に関する基準です。
具体的には,事業所が本邦(日本)に存在すること、使用する施設が継続的に使用可能なものであることが必要です。
第2号 申請に係る事業の規模が次のいずれかに該当していること
イ その経営又は管理に従事する者以外に本邦に居住する2人以上の常勤職員(法別表第1の上欄の在留資格をもって在留する者を除く。)が従事して営まれるものである
こと。
ロ 資本金の額又は出資の総額が500万以上であること。
ハ イ又はロに準ずる規模であると認められるものであること
この審査基準は,事業の規模に関する基準です。
第2号イは、経営又は管理に従事する外国人以外に本邦に居住する常勤の職員が2人以上勤務する事業であることが要件となります。つまり、一定の従業員がいる場合に、事業の規模が基準を満たしているとしています。
ただし、法別表第1の上欄の在留資格をもって在留する常勤の職員は除かれます。つまり、就労系の在留資格がある他の外国人労働者は除いた従業員数で審査をするということです。外国人の常勤の職員として認められる在留資格は、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者です。もちろん、日本人の労働者の場合には問題がありません。
第2号ロは、事業が会社形態で営まれる場合を前提とする規定であり、株式会社における払込済資本の額(資本金の額)又は合名会社、合資会社又は合同会社の出資の総額が500万以上の事業であることを要件とします。会社の資金力から、会社の規模を判断するというものです。
第2号ハは、イ及びロのいずれにも該当しない場合に、イ又はロに準ずる規模であることを要件とするものです。例えば、外国人が個人事業の形態で事業を開始しようとする場合に、500万以上を投資して営まれているような場合がこれに当たります。(審査要領)
喧嘩で被害届が出たら強制送還されるのか?
2023年1月2日の夜,神奈川県内でベトナム国籍の男性ら2人が刃物で刺されるという事件が起きたことが報じられています。
飲食店でベトナム人ら2人刺され大けが 男が逃走 神奈川 相模原
2023年1月5日時点では,犯人はまだ逮捕されていないようですが,仮に外国人同士の喧嘩だった場合,加害者として検挙される人は暴行,傷害罪の罪に問われる可能性があります。
暴行罪:2年以下の懲役又は30万円以下の罰金
傷害罪:15年以下の懲役又は50万円以下の罰金
事実関係はまだ明らかではないですが,もしも仮に,この事件について被害届が出されて,犯人が検挙され,その犯人が外国籍だった場合には強制送還されることがあるのでしょうか。
刑事事件で検挙された場合
刑事事件の犯人として検挙された場合であっても,直ちに強制送還されるというわけではありません。
刑事事件の手続の中で,強制送還される場合というのは次のような場合です。
- 一定の入管法によって処罰された場合
- 一定の旅券法に違反して懲役,禁錮刑に処せられた場合(資格外活動の場合,罰金だけでもアウト!)
- 麻薬取締法,覚醒剤取締法,大麻取締法などの薬物事件で有罪判決を受けた場合
- 一定の刑法犯で懲役,禁錮刑に処せられた場合(執行猶予がついてもアウト!)
- どの法律違反であっても,「1年を超える実刑判決」を受けた場合
報道にあるような暴行,傷害事件の場合には,4つ目,もしくは5つ目の場合に該当することがあります。
暴行,傷害罪は,刑法のうち第27章に規定されている罪であり,これは入管法で言う「一定の刑法犯」に該当します。そのため,暴行,傷害罪で起訴され,執行猶予付きの判決を受けた場合には強制送還の対象となる可能性があることになります。また,裁判の結果,1年を超える実刑判決となれば,強制送還となる可能性が相当高くなります。
具体的な事実関係は不明ですが,暴行,傷害事件について被害届が出されると,警察としては犯人を特定するための捜査活動を行うことになります。加害者と被害者との人間関係や,被害者の怪我の程度によっては逮捕されてしまう可能性がありますし,怪我が重ければ刑事裁判になる可能性があります。
強制送還となる具体的な場合
実際に暴行,傷害事件で強制送還となる具体的な場合について解説をします。
まず,「一定の刑法犯にあたるとして懲役,禁錮刑に処せられた場合」に該当する場合です。これを理由として強制送還されるのは,入管法の「別表1の在留資格」に該当する場合のことを言います。
「別表1」と言われてもよく分からないかもしれませんが,入管法に定められている在留資格には,大きく分けて二種類があり,別表1と,別表2があります。別表1は,日本での活動内容に応じて認められる在留資格を,別表2は外国人と日本との結びつきそのものに応じて認められる在留資格のことです。別表2には「永住者,永住者の配偶者等,日本人の配偶者等,定住者」をさします。
別表1は「別表2以外の在留資格の全部」をさすものと考えてよいでしょう。というのも,別表1には30種類以上の在留資格があります。その多くはいわゆる就労ビザと呼ばれるものですが,「留学生」や「短期滞在」も,この別表1の在留資格に含まれます。
そのため,「別表1の在留資格」(別表2以外の在留資格)で,暴行,傷害罪で執行猶予付きの判決を受けた場合には,強制送還となる可能性があります。
逆に,別表2の在留資格(永住や日本人の配偶者等)である場合や,罰金刑のみで終わった場合には,強制送還の対象とならないで済むことになります。
ただ注意しなければならないのは,罰金刑で終わったとしても,永住の在留資格でない限りは,次のビザの更新の時の不利益な事情となる場合があります。更新した時の在留期間が短くなったり,最悪の場合だと更新が認められないということがあります。
外国人の方の刑事事件は,罰金/執行猶予/実刑という,処分そのものだけでなく,在留資格への影響まで考えて弁護をしなければなりません。
日本で在留している間に刑事事件を起こしてしまったという方や,刑事事件に関わってしまった,強制送還されたくはない,という方は,是非ご相談ください。
刑事事件から在留資格までワンストップでご相談いただけます。
技術,人文知識,国際業務の在留資格について
在留資格「技術・人文・国際業務」について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
1.就労ビザとしての「技術・人文知識・国際業務」について
外国人が日本で活動して収入を得るには、身分による在留資格を除き活動に応じた在留資格が必要です。就労ビザとか就労資格とか言われるものです。
就労が認められる在留資格には以下のものがあります。
外交 公用 教育 芸術 宗教 報道 高度専門職 経営・管理 法律・会計業務
医療 研究 教育 技術・人文・国際 企業内転勤 介護 興行 技能 特定技能
技能実習
今回は就労資格の中で最もメジャーな「技術・人文・国際」についてご紹介いたします。
在留資格「技術・人文・国際業務」は、日本の大学や専門学校に留学している留学生が日本企業に就職するために必要となります。
活動内容に高い専門性が求められ、単純労働が認められないのが大きな特徴です。
2.「技術・人文・国際業務」の活動内容について
まずは,「技術・人文知識・国際業務」の在留資格が認められる根拠法文を確認します。
出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号)(抄)別表第一の二
本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学、工学その他の自然科学の分野若しくは法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務
又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動(一の表の教授の項、芸術の項及び報道の項の下欄に掲げる活動並びにこの表の経営・管理の項から教育の項まで、企業内転勤の項及び興行の項の下欄に掲げる活動を除く。)
やや難しく見えますが,ここで認められている活動内容は,大まかにいうと2つに分けられます。
①理学、工学その他の自然科学の分野若しくは法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術又は知識を要する業務
②外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務
①の理学、工学は例示でありこれに限定されるものではありません。②の法律学、経済学、社会学も例示でありこれに限定されるわけではありません。
「外国人が当該企業において従事する業務を全体としてみた場合に、当該技術又は知識がなければ、少なくともその業務の主要な部分を遂行することが出来ないときに、その外国人の従事する業務は、当該技術又は知識を要する業務であるということができる」ということです。『入管関係法大全〔第2版〕第2巻104頁)』
3.技術・人文・国際業務の活動基準について
具体的に在留資格が認められる活動かどうかを判断する基準は,次のようなものになります。
出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の基準を定める省令(平成2年法務省令第16号)(抄)
法別表 第一の二の表の 技術・ 人文 知識・ 国際業務の項 下欄に 掲げる活動
申請人が次のいずれにも該当していること。ただし、申請人が、外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法(昭和六十一年法律第六十六号)第五十八条の二に規定する国際仲裁事件の手続についての代理に係る業務に従事しようとする場合は、この限りでない。
一 申請人が自然科学又は人文科学の分野に属する技術又は知識を必要とする業務に従事しようとする場合は、従事しようとする業務について、次のいずれかに該当し、これに必要な技術又は知識を修得していること。ただし、申請人が情報処理に関する技術又は知識を要する業務に従事しようとする場合で、法務大臣が告示をもって定める情報処理技術に関する試験に合格し又 は法務大臣が告示をもって定める情報処理技術に関する資格を有しているときは、この限りでない。
イ 当該技術若しくは知識に関連する科目を専攻して大学を卒業し、又はこれと同等以上の教育を受けたこと。
ロ 当該技術又は知識に関連する科目を専攻して本邦の専修学校の専門課程を修了(当該修了に関し法務大臣が告示をもって定める要件に該当する場合に限る。)したこと。
ハ 十年以上の実務経験(大学、高等専門学校、高等学校、中等教育学校の後期課程又は専修学校の専門課程において当該技術又は知識に関連する科目を専攻した期間を含む。)を有すること。
二 申請人が外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務に従事しようとする場合は、次のいずれにも該当していること。
イ 翻訳、通訳、語学の指導、広報、宣伝又は海外取引業務、服飾若しくは室内装飾に係るデザイン、商品開発その他これらに類似する業務に従事すること。
ロ 従事しようとする業務に関連する業務について三年以上の実務経験を有すること。ただし、大学を卒業した者が翻訳、通訳又は語学の指導に係る業務に従事する場合は、この限りでない。
三 日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること
4 審査におけるポイント
イの「当該技術若しくは知識に関連する科目を専攻して大学を卒業」とは、企業で従事する業務に必要な科目を専攻して大学を卒業したことで、従事する業務と大学での専攻科目が関連していることが必要ですが、大学を卒業した者は、学術研究を目的とする大学で学んだ知識を社会に還元するという立場であることから、大学における専攻科目と従事しようとする業務との関連性について、専修学校等、他の資格要件者よりも比較的緩やかに判断されることとなります。
高松出入国管理局の紹介
今回は、高松出入国在留管理局のご紹介をいたします。
高松出入国在留管理局の住所:香川県高松市丸の内1-1 高松法務合同庁舎
高松出入国在留管理局の電話番号:087-822-5852
最寄りの駅:琴平電鉄「高松築港駅」から徒歩4分
高松出入国在留管理局の窓口受付時間:9時~12時、13時~16時 (土・日曜日、休日を除く)
*2022年7月19日から、在留期間の更新、変更等の在留審査手続が、高松法務合同庁舎から高松出入国在留管理局浜ノ町分庁舎に移転しました。
高松出入国在留管理局浜ノ町分庁舎の住所:香川県高松市浜ノ町分庁舎
高松出入国在留管理局の管轄
香川県、愛媛県、徳島県、高知県を管轄し、本局及び3出張所で構成されており、
四国全域をカバーしています。
高松出入国在留管理局の特徴
高松出入国在留管理局管轄の在留外国人は2022年6月末現在、約3万9千人。
県別では香川県が1万4千人、愛媛県が約1万3千人、徳島県が約6千6百人、高知県が
約5千人となっています。
高松入管管轄の外国人労働者のうち、在留資格別では技能実習が一番多く、2021年10月末現在、香川県が52.4%、愛媛県が62.8%,徳島県が56%,高知県が60.5%となっており、
4県とも全国平均20.4%を大きく上回っています。
高松出入国在留管理局の弊所最寄りの支部は、神戸市中央区にある弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部です。
福岡出入国在留管理局の紹介
今回は、福岡出入国在留管理局のご紹介をいたします。
福岡出入国在留管理局の住所:福岡県福岡市中央区舞鶴3-5-25 福岡第1法務総合庁舎
福岡出入国在留管理局の電話番号:092-717-5420
最寄りの駅:福岡市営地下鉄赤坂駅から徒歩4分
福岡出入国在留管理局の営業時間:9時~12時、13~16時 (土・日曜日、休日を除く)
福岡出入国在留管理局の管轄
福岡出入国在留管理局は、福岡県、佐賀県、長崎県、大分県、熊本県、鹿児島県、宮崎県、沖縄県(那覇支局が管轄)を管轄し、本局、1支局及び14出張所(那覇支局管下4出張所を含む)で構成されています。
福岡出入国在留管理局の管轄
福岡出入国在留管理局管轄の在留外国人は2022年6月末現在、約17万7千人。
国別ではベトナムが約4万5千人、中国が約3万5千人、韓国が約2万1千人となっています(2020年法務省統計)。
在留資格の上位3つが技能実習、留学、技術・人文・国際となっています。
これらの在留資格はベトナム国籍者が多く、結果として、九州・沖縄地域と距離的に近い
中国、韓国よりもベトナム国籍の在留外国人が多い結果となっています。
福岡出入国在留管理局の弊所最寄りの支部は、福岡市博多区にある弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部です。
広島出入国管理局の紹介
今回は、広島出入国在留管理局のご紹介をいたします。
広島出入国在留管理局の住所:広島県広島市中区上八丁堀2-31 広島法務総合庁舎内
広島出入国在留管理局の電話番号:082-221-4411
最寄りの駅:広島電鉄 縮景園前 徒歩4分
広島出入国在留管理局の窓口受付時間:9時~16時 (土・日曜日、休日を除く)
広島出入国在留管理局の管轄
広島出入国在留管理局は、広島県、山口県、岡山県、鳥取県、島根県を管轄し、本局及び7出張所で構成されています。
広島出入国在留管理局の特徴
広島出入国在留管理局は中国地方最大の都市である広島市に本局が置かれており、
中国地方全域を管轄する地方出入国在留管理局です。
管轄内での在留外国人数は、令和4年6月末現在、約11万8千人です。
広島県が約5万5千人、島根県が約1万人、鳥取県が約5千人、山口県が1万7千人、岡山県が3万1千人となっています。
管内の外国人労働者は令和3年10月末現在、約7万3千人、そのうち技能実習が3万人
と全体の約41%を占めています。
外国人労働者に占める技能実習の割合について、全国平均が約20%という事から見ると、
中国地方の産業は他の地域よりも、外国人技能実習により多く依存していることが特徴として挙げられます。
広島出入国在留管理局の弊所最寄りの支部は、神戸市中央区にある弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所です。
大阪出入国管理局の紹介
今回は、大阪出入国在留管理局のご紹介をいたします。
大阪出入国在留管理局の住所:大阪府大阪市住之江区南港北一丁目29番53号
大阪出入国在留管理局の電話番号:0570-064259
最寄りの駅:地下鉄中央線・ニュートラム「コスモススクエア駅」下車③番出口からすぐ
大阪出入国在留管理局の窓口受付時間:9時~16時 (土・日曜日、休日を除く)
大阪出入国在留管理局の管轄
大阪出入国在留管理局は、大阪府、京都府、兵庫県(神戸支局が管轄)、奈良県、滋賀県、和歌山県の2府4県を管轄し、本局、2支局及び6出張所(神戸支局管下の1出張所を含む)で構成されています。
大阪出入国在留管理局の特徴
大阪出入国在留管理局は西日本最大都市である大阪市に本局が置かれており、関西全域を管轄する大規模な地方出入国在留管理局です。
管轄内の在留外国人数は令和2年6月末現在で約48万5千人、8つある地方出入国在留管理局の中で、東京、名古屋に次いで第3位です。
2020年度処理済み在留更新手続件数は106345件、比較的在留外国人数が近い名古屋出入国在留管理局管轄は、163248件となっています。
永住許可申請件数は大阪入管管轄が5817件、名古屋入管管轄が13521件となっており、2倍以上の大きな差が開いています。この差の要因は、大阪入管管轄の在留外国人は、他の地方入管管轄の在留外国人と比較して、以前から日本で暮らし既に永住資格を取得済みであること、管轄の在留外国人のうち、特別永住者の割合が高いこと等が考えられます。
大阪出入国在留管理局の弊所最寄りの支部は、大阪市北区にある弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部です。
偽装結婚で有罪となった,その後はどうしたらいいか?
(以下は解説のための架空の事例です)
事例-偽装結婚についての判決後
Cさんは日本国籍の男性ですが,ある時,「戸籍を貸してくれたら毎月10万円振り込む」といわれて,外国籍女性のEさんと偽装結婚をしてしまいました。
その後,CさんはEさんとは何も関係することなく生活していましたが,ある日池袋警察署の警察官がCさんの自宅に捜索差し押さえを行い,Cさんは公正証書原本不実記録罪によって逮捕されてしまいました。
Cさんは起訴され,刑事裁判で有罪の判決を受けました。幸いにして執行猶予判決となりましたが,Cさんは「Eさんとの戸籍はどうなるのだろう」と思い,外国人事件,入管事件に詳しい弁護士に相談しようと思いました。
偽装結婚の罪
一般的に偽装結婚と呼ばれるものの中には,公正証書原本不実記録,同供用罪という犯罪に該当するものがあります。
これは,公務員(市役所職員など)に対して,嘘の申立てや届出を行い,登記簿や戸籍簿と呼ばれる公正証書の原本に虚偽の記載をさせた,またはその原本を供え置かせるというものです。
難しいように聞こえるかもしれませんが,結婚するつもりがないのに婚姻届けを提出して,戸籍上も婚姻したことにした場合には,犯罪が成立することになります。
偽装結婚というと,「結婚するつもりがないのに結婚したことにして婚姻届けを出す」という意味が一般的ですが,まさにこれが犯罪です。
一方,婚姻届けを出したときは幸せいっぱいの夫婦だったけれども結婚生活の中ですれ違い,今はただ「夫婦」という体を保っているだけという,いわゆる「仮面夫婦」のような状態だけでは犯罪とは言えません。あくまで,虚偽の届出を出して,戸籍に虚偽の記載をさせるというのが犯罪なのです。
Cさんのように,当初から婚姻生活を送るつもりがなく,また金銭を得るだけ(もしくは外国人に在留資格を得させるだけ)の目的でした婚姻届の提出なのであれば,公正証書原本不実記録罪に該当するでしょう。
同罪は5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられる可能性があります。
有罪の判決が出た後はどうなるのか
Cさんのように日本人の立場からすると,偽装結婚がばれた後に自分の戸籍がどうなるのかという点が気になる方もいるかもしれません。
というのも,刑事裁判では「有罪(刑の重さ)/無罪」を決めるだけで,戸籍そのものについては何も訂正をしてくれないからです。
刑事裁判の後,Cさんはある困った問題に直面します。それは再婚ができないというものです。
戸籍が元に戻る(CさんとEさんの結婚が虚偽のものだからという理由で訂正される)までは,Cさんは戸籍上既婚者という立場が続くことになります。一方,Eさんと離婚に向けた手続きを行おうとしても,刑事裁判が確定すればEさんのような人は,ほとんど強制送還されるため,そもそもCさんはEさんと連絡を取る事すら難しくなってしまいます。
このような場合に,Cさんの戸籍を訂正して,再婚できるようにするためには次のような手続きが必要です。
まず一つ目は,役所内部での処理を待つというものです。
偽装結婚であることの刑事裁判が確定すると,検察庁から市区町村役場に対して,「あの婚姻届けは虚偽のものでしたよ」という通報がなされます。この通報を受けて,役所が内部の処理として,戸籍を自分たちで訂正するというものです。この手続には時間が掛かり,判決が確定した後,少なくとも数か月かかることになります。
次の手段としては,Cさんのような本人が裁判所に申立てをする場合です。
刑事裁判の中で偽装結婚であることが認められているのであれば,その裁判資料を使って家庭裁判所に対して「戸籍を直すことを許可してください」という申立てをすることができます。この場合には自分たちである程度資料を集めて手続きを行う必要がありますが,役所が自分たちで戸籍を訂正するよりも早く手続きが進むことが期待できます。
戸籍の訂正など,裁判所での手続きについては専門家へ依頼することを検討された方が良いでしょう。
もしも刑事裁判になっていなかったら?
Cさんのように,刑事裁判が確定していればよいですが,もしも刑事裁判になっていないという場合に戸籍を訂正しようと思ったら,どうしたらよいでしょう。
その場合には,そもそも婚姻届の提出自体が無効だったのだということを確定させるために,婚姻無効確認訴訟を起こして,裁判所に「結婚が無効である」ことの判決をもらわなくてはなりません。
また,刑事裁判になっていないという場合には,偽装結婚の相手となった外国籍の人が今どこで何をしているのかということの調査まで行わなければなりません。
加えて,警察には何も知られていない状態で,裁判で「偽装結婚をしていました」と話すことのリスクについても考えなければなりません。
もしも,過去に偽装結婚をしたまま戸籍を放置してしまっているという方,偽装結婚でお悩み・お困りの方がいれば,早めに弁護士などの専門家にご相談ください。
名古屋出入国管理局の紹介
今回は、名古屋出入国在留管理局のご紹介をいたします。
名古屋出入国在留管理局の住所:愛知県名古屋市港区正保町5-18
名古屋出入国在留管理局の電話番号:0570-052259
名古屋出入国在留管理局への最寄りの駅:あおなみ線「港北駅」出口から徒歩1分
名古屋出入国在留管理局の窓口受付時間;9時~16時 (土・日曜日、休日を除く)
名古屋出入国在留管理局の管轄
名古屋出入国在留管理局は、愛知県、三重県、静岡県、岐阜県、福井県、富山県、石川県を管轄し、本局、1支局及び8出張所で構成されています。
名古屋出入国在留管理局の特徴
名古屋出入国在留管理局は、東海北陸地方全域を網羅し、大変エリアの広い地方出入国在留管理局です。東海北陸地方最大の都市である名古屋市に本局が置かれています。
3大都市圏を含む名古屋出入国在留管理局管轄の在留外国人は、令和3年6月末現在約53万3千人で、全国の在留外国人のおよそ18%を占めています。
名古屋出入国在留管理局の弊所の最寄りの支部は、名古屋市中村区にある弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部です。
東京出入国管理局の紹介
今回は、東京出入国在留管理局をご紹介いたします。
東京出入国在留管理局の住所:東京都港区港南5-5-30
東京出入国在留管理局の電話番号:0570-034259
東京出入国在留管理局へのアクセス:JR品川駅南口(東口)から都バス「品川埠頭(循環)」又は「東京入管出入国在留管理局(折り返し)」で「東京出入国在留管理局前」下車
東京出入国在留管理局の管轄
東京出入国在留管理局は、東京都、神奈川県(横浜支局)が管轄、埼玉県、千葉県、茨城県、
群馬県、山梨県、長野県、新潟県を管轄し、本局、3支局及び12出張所(横浜支局下の
1出張所を含む)で構成されています。
東京出入国在留管理局の特徴
東京出入国在留管理局の特徴は、他の地方出入国在留管理局と比べ圧倒的に規模が大きいということです。
令和2年末現在の在留外国人は約288万人ですが、そのうちの約48%にあたる139万人が、東京出入国在留管理局管轄の在留外国人です。東京都だけでも約56万人の在留外国人がいます。
全国に8つある地方出入国在留管理局の中で、在留申請件数は全国一位。
2020年度処理済みの申請手続の中で、在留期間更新手続数は全体で941819件に対し、東京出入国在留管理局の処理数は505614件、全体の54%、2位が名古屋出入国在留管理局の172560件と圧倒的に2位を引き離して断トツの申請件数となっています。
東京出入国在留管理局の弊所の最寄りの支部は、東京都新宿区にある弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部です。
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