子供が独立する時の在留資格

1 日本で生活する外国人の子供が独立する・・・在留資格も変更を!

外国人に同伴して日本に来た子供が大きくなったとき,在留資格の変更が必要になる場合があります。

外国人に同伴して来日する子供に認められる在留資格は,「家族滞在」です。家族滞在の在留資格では原則として働くことはできず,また,親に扶養されている(養われている)状態でなければ認められません。

家族滞在で在留していた子供が学校を卒業して働き始めたり,一人暮らしを始めたりするときは,在留資格の変更が必要になることがあります。何もしないでいると,資格外活動とされて在留資格が取り消されたり,退去強制されたりしてしまう恐れもあります。

卒業,就職は誰にとっても重要な人生の節目です。そのような節目の時に入管の手続を怠ってしまうと大変なことになってしまいます。子供の手続であればなおさら,ご家族の方もよく気を配ってあげましょう。

 

2 就労系の在留資格へ変更する

日本で働く業種が,通訳やエンジニアなど特定の能力や技能を必要とするものであれば,就労系の在留資格へ変更することが出来ます。就労系の在留資格の詳細については「就労ビザその1」「就労ビザその2」の項もご参照ください。

これらの就労系の在留資格の場合,大学卒業ないしそれと同等の教育を受けているという学歴の条件があります。日本の大学である必要はありませんが高校を卒業してから働く場合には,このような就労系の在留資格は取得できません。

「家族滞在」で在留していた外国人の方が高校を卒業して日本で働き始める場合には,次の定住者か特定活動の在留資格に変更しなければなりません。

 

3 定住者,特定活動への変更

日本に入国した時点で18歳未満であり,家族滞在の在留資格をもって日本で在留してきた方で,高校を卒業後日本で働く予定(内定をもらっている)方は,定住者,もしくは特定活動の在留資格へ変更することが出来ます。

参照:http://www.moj.go.jp/content/001252142.pdf

日本の小学校,中学校を卒業している方は,「定住者」の在留資格に,それ以外で日本の高校卒業、または高校に編入学して卒業し日本語能力N2以上の方は,「特定活動」の在留資格に変更することが出来ます。

この在留資格の変更の場合,就職先はどこであっても構いません。通訳やエンジニアのような「技術,人文知識,国際業務」に当たるような仕事でなくて大丈夫ですし,レストランなどの接客業でも構いません。

注意すべき点は次の2つです

  1. 在留資格の変更申請の時点で,就職先から内定を得ていること
  2. 就労時間(働く時間)が週に28時間以上であること

「定住者」と「特定活動」の,どちらにも変更できる方がいるかもしれませんが,可能であれば「定住者」への変更の方が良い場合が多いでしょう。定住者の在留資格は,永住申請の際に有利なことがありますし,就労の制限もないからです。

日本人の実子であれば,就職や独立の時に在留資格の変更は必要ありませんが,外国人同士の子ども(家族滞在の在留資格)の場合には,節目ごとに在留資格の変更が必要になります。

「家族滞在」の在留資格のままで放置しておくと,取り返しのつかないことになってしまいます。未成年の子供の場合,本人は法律の手続がよく理解できないことの方が多いでしょう。

日本で子供を育てている外国人の方は,自分の在留資格だけではなく,子供の在留資格も守れるよう,手続を行いましょう。もしも子供の在留資格のことで不安なことや分からないことがある場合には,手遅れになってしまう前に,弁護士などの専門家に相談しましょう。

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