外国人の日本への入国規制緩和

9月23日以降の報道などによると,政府は外国人の日本への入国について,徐々に緩和するとの方針を示しているようです。

  朝日新聞 全世界からの入国、政府が来月に一部解禁へ 観光客除く

9月25日にも,政府としてそのような方針を決定し,早ければ10月以降にも規制を緩和するようです。

そもそも,これまでどのような経緯で日本への入国が制限されてきたのでしょうか。

入国が拒否されてきた理由

これまで日本政府は,新型コロナウイルス感染症拡大に伴い,外国人の日本への入国を拒否していきました。

これは,法律上,日本への上陸審査で上陸を拒否してきたということです。

出入国管理法5条1項14号に次のような規定があります。

第5条(上陸の拒否)

1項 次の各号のいずれかに該当する外国人は,本邦に上陸することが出来ない

この規定は,日本への上陸を拒否できる理由を列挙したものになります。上陸審査についてはこちらもご参照ください。

そして14号は次のように定められています。

14号 前各号に掲げるものを除くほか,法務大臣において日本国の利益または公安を害する行為を行うおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者

つまり,法律に列挙されている人以外に,法務大臣が個別に指定する人は日本への上陸を拒否を拒否できる,というものです。

新型コロナウイルス感染症が拡大し始めてから,法務大臣は世界の159か国,地域を指定して「日本に来る前にこの地域に滞在していた人の上陸を拒否します」としたわけです。

なお,この上陸拒否事由の中には,一定の重篤な感染症に感染している人も含まれておりますし,上記のような入国拒否としたことは明らかにおかしいとは言えないでしょう。

上陸が一部緩和されてきた経緯

令和2年7月28日以降,一部のアジアからビジネス目的で日本へ入国する人に対して,上陸規制を緩和してきました。

令和2年9月25日時点で対象となっている国はタイ,マレーシア,ベトナム,カンボジア,ラオス,ミャンマーです。

在留資格についても制限があり,国によって異なりますが,「経営・管理」,「企業内転勤」,「技術・人文知識・国際業務」,「介護」,「高度専門職」,「技能実習」,「特定技能」,「特定活動」(起業),「特定活動」(EPA看護師・介護福祉士(候補者))が対象となり得る在留資格です。

これらはビジネス目的の在留資格です。

ビジネスのための在留資格についてはこちらのページでも解説しています。

就労ビザ その1

就労ビザ その2

家族滞在の在留資格は,上陸許可の対象とはなっていませんので気を付けてください。

 

また,在留資格や出発国に限らず,次のような日本への上陸を認めるべき特別な事情がある方についても,上陸が認められています。

・日本人の配偶者,子供

・永住者の配偶者,子供

・定住者の配偶者,子供で,日本に分断された家族がいる人

・「教育」「教授」「医療」の在留資格で上陸する外国人の方で,人手不足の解消や体制の強化のために必要な人

このような方については,日本への上陸を認めるのが人道的にも相当であるとして,出入国管理局も認めています。

参照ページはこちらです。

これら4つの場合に限定されているものではありません。

日本に上陸する特別な事情があるという方は,早めに弁護士に相談されるのが良いでしょう

これからどうなっていくのか

最初の報道記事に戻ってみますと,今後,日本への入国制限については次のように緩和されていくことが予想されています。

・一部の国に限定していた→全世界の国へ。

・ビジネスのための在留資格を限定していた→留学や芸術目的等,拡大している。

一日当たりの入国人数や,入国できる空港などの制限はあるようですが,今後の入国手続きについても注視する必要がありそうです。

特に今後,外国人の人材を雇い入れる予定の事業主,雇用主の方は,入国制限の規制について気を付けていく必要があります。

日本への入国手続きなどでご不安のある方や,外国人を雇うつもりだけれども手続に不安のある方は一度弁護士へご相談下さい

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