このページでは,「家族滞在」の在留資格取得について解説をします。
家族ビザというと,「日本人の配偶者」や「日本人の子供」についてのビザを思い浮かべるかもしれませんが,日本人の家族でなくても「家族滞在」の在留資格が認められることも十分にあります。
今回は,家族滞在の在留資格の内容や取得手続のための書類について解説をしていきます。
このページの目次
「家族滞在」の在留資格とは
家族滞在の在留資格とは
1の表,2の表又は3の表の上欄の在留資格(外交,公用,技能実習および短期滞在を除く。)をもって在留する者又はこの表の留学の在留資格をもって在留する者の扶養を受ける配偶者又は子として行う日常的な活動
とされています。
簡単に言うと,
日本で仕事をしたり学校に通ったりしている外国人の家族で,経済的に日本での生活に困らないのであれば,家族と一緒に日本で生活できる
というためのビザです。
家族滞在の在留資格によって,外国人の家族を呼び寄せることができるのは,
教授,芸術,宗教,報道,高度専門職,経営・管理,法律・会計事務,医療,研究,教育,技術・人文知識・国際業務,企業内転勤,介護,興行,技能,特定技能2号,文化活動,一部の留学生
になります。
ここにあげた在留資格以外の方で,外国人の家族を呼び寄せようと思った場合には,別の在留資格を考えなければなりません。
家族滞在の在留資格を申請する時のポイントは,扶養者との関係です。
家族滞在の在留資格の場合,その人は日本で働いたりアルバイトをしたりすることは基本的にできません。そのため,日本で在留している間の経済的負担を扶養者が負うことになります。扶養者が自分の生活だけではなく,家族滞在ビザで在留する家族の分も含めて経済的に自立しているといえなければ,在留資格が認められないことになります。
特に審査のポイントになってくるのは,扶養意思(家族を養っていきながら生活していこうという意思)と,扶養能力(家族を養っていくだけの能力)です。
☆働いていなくても家族滞在のビザで家族を日本に呼び寄せることができる?☆
一部の留学生であれば,家族滞在のビザで配偶者や子供を日本に呼び寄せることができます。
留学生の場合,日本で正社員として働くことはできず,資格外活動許可をもらったとしても一週間で28時間以内のアルバイトしか認められません。
この収入だけで,一家で日本で生活することは難しいかもしれませんが,「留学」の在留資格であったとしても,「日本で家族を扶養するだけの資産」があれば家族を呼び寄せることができます。
例えば,本国で仕事をしていて十分に貯金をしてから日本の大学院に留学してきた場合等,仕事をしなくても家族を養うだけの余裕がある状態なのであれば,日本で仕事をしていなかったとしても家族を日本に呼び寄せることもできるのです。
在留認定証明書のために必要な書類
「家族滞在」の在留資格認定証明書のために必要な書類は次のとおりです。
・在留資格認定証明書交付申請書 1通(こちらのリンクからもダウンロードできます。他の在留資格とは違いますので注意してください。)
・写真(縦4cm・横3cm※三か月以内に撮影したもの) 1枚
・返信用封筒(404円分の切手を貼っておく) 1通
・扶養者と「家族滞在」の在留資格を申請する人との関係を証明する書類
例えば,戸籍謄本,婚姻届受理証明書,結婚証明書,出生証明書
・扶養者のパスポートか在留カードのコピー
・扶養者の職業や収入が分かる書類
例えば,在職証明書,市役所でもらえる課税証明書,納税証明書
扶養者が働いていない場合には銀行などの残高証明書や奨学金の証明書
審査にかかる時間,在留期間
家族滞在の在留資格認定証明書を「申請してから実際に交付されるまでの期間」は平均して「39日」です。
就労系の在留資格と比べると審査には時間が掛かっており,家族関係については慎重に審査されています。
なお,扶養者が「高度専門職」の場合には,家族滞在の在留資格取得手続については優先的に処理してもらう事ができます。
家族滞在の在留期間としては,扶養者の在留期間の範囲内で決定されます。扶養者と一緒に日本に入国するという場合には,同じ期間の在留期間が認められます。
別々に入国したという場合には,扶養者の在留期間として残っている期間を基準にして決定されます。
まとめ
日本で働く外国人の方は,「家族滞在」によって外国人の家族を呼び寄せられる可能性が十分にあります。
また,同様に「外国人の方が家族を呼び寄せる」ための在留資格としては「永住者の配偶者等」という在留資格もありますが,これと「家族滞在」との違いについては改めて解説をします。