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解決事例 在留特別許可(日本人の配偶者等)が認められた事例
当所の扱った事案について,在留特別許可が認められましたので,その事例を紹介,解説します。
(守秘義務の関係上,事実の詳細を明らかにしない部分があります)
事案
ご依頼者であるXさんは,日本国内にて大麻を所持していたという事案によって,執行猶予付きの懲役刑の判決を受けました。
執行猶予付きの判決ではあったものの,大麻取締法違反の事件でしたので,判決が確定後に,入管から違反調査のための呼出が来ることになりました。
ご依頼の経緯
判決の言い渡し前から,Xさんは,「刑事事件の判決によって自分の在留資格がどのようになるか」という点について不安があり,当所へ相談に来られました。
Xさんは日本で育ち,家族のほとんどが日本で生活しているという状況であるため,違反調査の後,強制送還されてしまうと非常に不利益が大きいという状況でもあり,在留特別許可に向けた活動をご希望でした。
刑事事件の判決が言い渡される前からご相談に来られたことで,事前のリサーチなどを行う時間も十分に確保でき,実際に入管からの違反調査が始まって以降は速やかに正式に代理人として受任し,在留特別許可の獲得に向けた活動を行うことができました。
弁護活動
Xさんに対する違反調査,違反認定については,在宅のままで進められました。Xさんは元々日本で生活していた方で,日本人の家族もいたことから,違反調査があっても在留資格は直ちには影響を受けなかったためです。
違反認定の結果,違反事実があり,口頭審理に進むという段階でも,入管の施設内に収容されてしまうということもなく,身元保証人もいたことから,即日仮放免で出てこられました。
代理人弁護士としては,「Xさんが日本にいなければXさんが困る/Xさん以外にも困る人がいる/Xさんを日本に在留させ続けるのが誰にとっても良い」ということを入管にアピールするために,手続の早い段階から,Xさんが置かれた状況について入管の担当者に対して説明を行いました。
口頭審理が行われる前から,先だって在留特別許可を求める具体的な事情を述べ,また,入管が判断する基準に基づいても「在留特別許可するべきである」という意見と理由をつけた意見書を提出しました。ただ意見を言うだけではなく,Xさんのご家族からも嘆願書をもらう等して,資料を集めました。
実際の口頭審理の場でも,弁護士が立ち会い,Xさんに在留資格が付与されるべきであることの意見を述べ,審理の中でXさんにとって不利な供述がなされてしまわないかどうかを立会確認しました。
口頭審理の結果
口頭審理から約2週間程度という速さで,結果が出て,在留特別許可が認められることになりました。
Xさんはもともと,「日本人の配偶者等」の在留資格で日本に在留していましたので,在留特別許可(日本人の配偶者等,在留期間1年)という形で認められました。
Xさんは日本で家族との生活を続けられることになり,お仕事についても日本の法律上,何らの問題もなく続けられることとなりました。
ポイント
Xさんの事件では,Xさんが日本に長く在留していたこと,日本に家族がいたことが審理において非常に有利な点として考慮してもらう事ができました。また,Xさんの事例では,Xさん自身が日本で仕事をしていたこと,この仕事が日本や地域社会の利益にもつながっていたことも,入管に対して主張していました。
ただ,大麻をはじめとした薬物事件というのは,やはり入管業務においても重たい事案として扱われていることも事実です。
刑事裁判の結果についても触れて,その責任が必ずしも重大なものではないことについても,刑事弁護的な観点から意見を述べています。
よりよい弁護活動や一貫した弁護活動を目指すのであれば,刑事裁判の段階から入管まで見据えた弁護活動が望ましいでしょう。
今後も在留資格や強制送還に関する手続きでお困りの方,そのご家族の力になれるよう,事案に取り組んでいきたいと思っております。
解決事例 在留特別許可(日本人の配偶者等)が認められた事例
当所の弁護士が扱った事案について,在留特別許可が認められましたので,その事例を紹介,解説します。
(解説にあたって,ご依頼者様からご了解を頂きましたが,守秘義務の関係上一部,事情を変えて記載しています)
事案
ご依頼者であるXさんは「日本人の配偶者等」としての在留資格を取得後,日本人家族との生活を続けるために永住者の申請を行い,永住者として認められました。
しかし,Xさんは母国にも家族がおり,永住の申請をするときに,母国の家族については何も申告しないまま永住の申請をしてしまいます。
その後,Xさんは入管から呼び出されて調査を受け,永住申請の時に虚偽の申告を行ったとして永住許可を取り消されてしまいました。
ご依頼の経緯
XさんとXさんのご家族は,Xさんの永住許可が取り消されて強制送還されてしまうかもしれない,というご不安から,当事務所にご相談されました。
当事務所東京支部の弁護士が事情を伺ったところ,果たして永住許可が取り消されるほどの重大な事案なのか,また,Xさんの日本に置ける状況を鑑みると,なおも,日本での在留が認められるべき事案ではないかと思われました。
Xさんから正式にご依頼を受けた弁護士が,入管に対して,Xさんに対しては在留特別許可が認められるべきである,と主張していくことにしました。
具体的な弁護活動
Xさんの事案では,弁護士が依頼を受けた段階で既に永住許可が取り消されており,在留特別許可に関する口頭審理が開かれる前の段階でした。
そのため,まずは,Xさんが在留特別許可を求めている事,その理由となる具体的な事情をまとめ,意見書として入管に対して提出しました。
また,口頭審理までの間に,よりXさんの在留が認められやすくなるように状況を整え,その証拠を集めました。
そして,実際の口頭審理の場では弁護士が立ち会い,Xさんがインタビューの答えに困った時には直ぐにアドバイスができるように助言し,場合によっては弁護士がXさんの代わりに説明を行いました。
審理は長時間にわたって行われましたが,その合間の休憩時間などには,審理の流れについて確認し,その場でXさんとの打ち合わせも行いました。
口頭審理の結果
口頭審理から約1か月後に在留特別許可が認められたとの通知がなされました。
Xさんは日本人の配偶者としての地位がありましたので,在留特別許可(日本人の配偶者等,在留期間1年)という形で認められました。
Xさんは日本で家族との生活を続けられることになり,ご家族の方も大変安心されました。
ポイント
退去強制(強制送還)手続きに伴う在留特別許可の審査においては,日本との結びつき,特に,日本での家族関係があるかどうかが非常に重要です。Xさんのケースでは,「日本人の家族がいる」という事情があり,これは在留特別許可を求めるうえで最も有利になる事情ですから,弁護士からの意見書でもこの点を最も前面に押し出して主張を行いました。
口頭審理に先立って,事前に特別審査官との面談も行っており,その際にも許可が認められる見通しや審理を行う前の心証についても開示を受けていたため,特別審査官の審理でも,この点に注意しつつ質問に応じました。
何よりも,Xさんが日本で家族と生活を続けられることになったということが,弁護士としても非常にうれしく思います。
今後も在留資格や強制送還に関する手続きでお困りの方,そのご家族の力になれるよう,事案に取り組んでいきたいと思っております。