家族滞在の在留資格について,具体例を解説

在留資格「家族滞在」について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

1.「家族滞在」の在留資格に該当する活動

法律上,「家族滞在」の在留資格が認められる場合としては,次のように規定されています。

入管法別表第一の一の表の教授、芸術、宗教、報道、二の表の高度専門職、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、介護、興行、技能、特定技能2号、三の表の文化活動又はこの表の留学の在留資格をもって在留する者の扶養を受ける配偶者又は子として行う日常的な活動。

2.該当例

具体的に言うと,「外交」、「公用」、「特定技能1」、「技能実習」、「短期滞在」、「研修」及び「家族滞在」を除く別表第一の一から四までの表の上欄の在留資格をもって在留する者の扶養を受ける配偶者及び子が,家族滞在の在留資格をもらえる可能性があります。

逆に,配偶者及び以外の家族は対象とはならりません。ここでいう「子」には養子も含まれます。

子は未成年者であることを要件とされておらず、成年に達していてもかまいません。

配偶者は、これらの在留資格をもって在留する外国人と現に婚姻している外国人です。

婚姻は法的に有効に成立した者でなければならず、内縁の配偶者は、ここにいう配偶者に含まれません。(『入管関係法大全第2巻〔第2版〕』P203)

また、外国で有効に成立した同性婚による者も含まれません。

3.「特定技能」の外国人の場合や,「扶養を受ける配偶者,子」の範囲について

「特定技能」の場合

特定技能1」の配偶者及び子は、「家族滞在」の在留資格に該当する活動に含まれません。「特定技能2号」の配偶者、又は子は「家族滞在」の在留資格に該当する活動に含まれます。「特定技能2号」の外国人は、配偶者及び子を「家族滞在」の在留資格で日本に呼び寄せることが可能です。

扶養を受ける配偶者及び子」の範囲

「扶養を受ける」とは、扶養者が扶養の意思を有し、かつ、扶養をすることが可能な資金的裏付を有すると認められることをいいます。

「配偶者」については原則として同居を前提として扶養者に経済的に依存している状態、「子」にあっては扶養者の監護養育を受けている状態の事をいい、経済的に孤立している配偶者又は子としての活動は含まれません。(審査要領)

外国で有効に成立した同性婚の場合

海外では同性婚が認められる国は複数ありますが、日本では同性婚が認められておらず、海外での同性婚者は、「家族滞在」の在留資格に該当する「配偶者」として認められていません。なお、母国の法律で同性婚が認められたカップルの間でなされた婚姻での一方のパートナーに対して、告示外での「特定活動」の在留資格が認められる場合があります。

 

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